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IT構想実現、EC事業拡大に向けて資本業務提携 久原本家グループ本社と東京都のフォービス


週刊経済2024年2月27日発行号

 だし・調味料を中心とした総合食品メーカーの㈱久原本家グループ本社(糟屋郡久山町、河邉哲司社長)は2月、情報システム開発の㈱フォービス(東京都港区、家永慎太郎社長)とIT構想実現やEC事業拡大を目的とした資本業務提携契約を結んだ。
久原本家グループがフォービスに出資し、フォービスは久原本家グループ全体のIT構想に参画・導入支援、およびソリューションを提供することで情報システム体制の強化を図る。両社はこれまでも同グループの生産・物流の基幹システム構築におけるパートナーとしての協業実績があり、両社で事業を相互補完することで双方の企業価値を高められると考え、より一体的に事業運営を進めるために資本提携に合意した。
久原本家グループは「茅乃舎」や「椒房庵」など複数の直販の食品ブランドを有し、店舗・EC・通販・飲食といった様々な顧客接点をもったD2C(自社企画・製造商品を直接顧客に販売)ビジネスを展開。今後さらにIT活用の重要性が高まり、システムの刷新などが求められることから通販・ECに精通したパートナーとの協業を模索していた。一方、フォービスはソフトウェア開発の設計・製造・販売・サポートおよびコンサルティングを主業務とし、リピート通販業界を中心に、受託でのスクラッチ開発を強みとしてWebの世界で実績を積み重ねてきた。さらに、その技術力を活かし、現在では通販ソリューションやコンテンツ管理など、より幅広いサービスを提供している。
久原本家グループでは「全体IT構想にフォービスが参画することで専門性不足の補完だけでなく、情報システム体制の抜本的強化が期待され、EC領域の一層の事業拡充を目指す」。フォービスでは「店舗・EC・通販・飲食などの販売チャネルをもち、さらに常温・チルド・冷凍という3温度帯の商品がある食品事業との協業は類がなく、厳しい賞味期限やトレサビリティの要求にも対応できるシステムを構築できれば、大きなノウハウの蓄積となる」としている。