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24年度後半にプロ向け市場開設目指す 福岡証券取引所


週刊経済2023年12月26日発行号

海外投資家向けの新システムも検討

福岡証券取引所の長宣也理事長は12月6日、ふくおか経済新年号インタビューに応じ、2023年の売買実績や、24年の主な取り組みについて語った。主なやりとりは次の通り。
―23年の売買実績は。
長 23年1月から11月までの売買高は、前年同期比6・0%増の1221万株、売買代金は19・9%増の120億円と、いずれも前年を上回っている。
―㈱Fusic(福岡市)、㈱LAホールディングス(東京都)が上場した。
長 2社の新規上場で、11月末時点の上場会社数は重複上場84社、単独上場23社の計107社となったが、12月に岡野バルブ製造㈱、UBE㈱、キリンHD㈱の3社が上場廃止。コスト削減などで上場先を一本化する動きがあり、あらためて福証に上場するメリットや存在意義を打ち出す必要がある。
―24年度の重点施策は。
長 地域連携と機能強化を図る中期経営方針の最終年度で、海外投資家向けの機能強化策の検討、プロ投資家向け市場の開設に向けた準備を進めている。
海外投資家向けの機能強化では、シンガポールを拠点とするフィンテック企業・M-DAQのソリューションを活用した「Fukuoka TRC」のフィージビリティ・スタディ(FS・導入可能性調査)を実施する。外貨建て注文を円建て注文に変換するクラウドサービスで、海外投資家が福証上場銘柄を自国の通貨建てで売買することが可能になる。まずはアジアの個人投資家を顧客基盤とするフィリップ証券とmoomoo証券の賛同・協力を得てFSを実施し、結果をもとに試行実施を判断する。
プロ投資家向け市場「(仮称)福証プロマーケット」は、24年度後半の開設を目指している。福証の機能を強化し、魅力ある市場を作り上げるために、正念場の1年になる。