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2カ月連続で「緩やかながら持ち直しの動き」  日本銀行福岡支店    5月の金融・経済概況


 日本銀行福岡支店(尾関政達支店長)が6月11日に発表した九州・沖縄の金融・経済概況によると、九州7県と沖縄県の景気は前月に続き、「緩やかながら持ち直しの動きが続いている」と発表した。
 個人消費は乗用車販売が好調なことや、旅行・観光需要も盛り上がりが見られるなど「全体として底堅さを増している」と判断した。生産では自動車や一部の電子部品・デバイス(半導体)については好調ながらも「全体としては横ばいの動き」とした。主要業種別では電子部品・デバイスが、スマートフォンや自動車向けが好調な反面、家電・パソコン向けは低調な状態が続き、輸送機械は自動車が国内外の堅調な需要に支えられ、高操業が続いているほか、造船も高水準の受注残を抱え安定した操業を続いている。一般機械は産業用ロボットが自動車向けを中心に高操業を続けているものの、半導体製造装置は受注に一服感が出ているとしている。鉄鋼は自動車向けなどの高付加価値品が高操業を維持、棒鋼・形鋼は横ばいで推移している。化学はアジア向けを中心に外需の陰りに歯止めがかかっており、下げ止まりつつあるとしている。
 また、住宅投資は先月同様、「緩やかな持ち直しの動きが続いている」とした一方、公共投資は「減少」、設備投資も「弱めの動きが続いている」と基調判断を据え置いた。輸出は自動車が北米向けを中心に増加しているものの、全体としては「横ばい圏内の動き」に止まっており、雇用・所得情勢は、なお厳しい状況にあるが、労働需給は改善傾向にあるほか、所得面でも3月の雇用者所得総額が1年8カ月ぶりに前年を上回った。そのほか、物価は4月の消費者物価指数(九州地区、生鮮食品を除く)が3カ月連続で前年を上回り、金融では4月の預金残高、貸出残高ともに前年を上回り、企業倒産は5月の実績で前年をやや上回ったものの、負債総額は前年を大幅に下回っているとしている。