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150億円かけ新鳥栖駅前に重粒子線がん治療センター  九州重粒子線施設管理    10月建屋完成、来春開業予定


 九州重粒子線施設管理株式会社(鳥栖市本通町1丁目)は現在、新幹線新鳥栖駅西側にがん治療施設「九州国際重粒子線がん治療センター(愛称サガハイマット)」を建設している。建屋は10月完成、設備や医療機器設置工事を行い、開業は来年春の予定。
 重粒子線のがん治療施設は全国で千葉県の「放医研重粒子医科学センター病院」、兵庫県の「兵庫県立粒子線医療センター」、群馬県の「群馬大学重粒子線医学研究センター」に続く国内4施設目で、九州では初めて。産学官の共同プロジェクトとして昨年2月に着工した。場所は鳥栖市原古賀町、九州新幹線新鳥栖駅西側で敷地面積1万1239平方m、建築面積は4641平方m。建物は3階建て延べ床面積7512平方m。治療室3室のほか、PETやMRIなど検査装置を備えた診断室を設ける。初期投資は150億円。初年度の患者数は年間2百人、4年後に8百人を想定している。開業時のスタッフは医師5人、医学物理士4人、診療放射線技師6人、看護士3人を予定。
 施設を運営する公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団の北村信専務理事は「がん細胞をピンポイントで破壊するので副作用が少なく、従来の治療法では治療が難しかった例にも可能性が広がる。通院に特化して、年間8百人の患者を想定している。大学や医療機関と連携し、多くの方が日常生活を保ったまま最善の治療を受けられるように努めたい」と話している。