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鹿児島の子会社を吸収合併  第一施設工業    鹿児島事業所を設置


 半導体・液晶工場のクリーンルーム(無塵作業室)向け搬送システム製造、第一施設工業株式会社(粕屋郡新宮町大字上府、篠原統社長)は、今年2月にM&Aで100%子会社化していた自動制御機器製造などの株式会社クリエート(鹿児島県鹿屋市吾平町上名、同社長)を12月1日付で吸収合併し、同所に鹿児島事業所を設置する。
 クリエートは売上高4億円ほどだが、無借金経営を続けている上、2億円の預金や工場土地(6600平方m)・建物(延べ床4620平方m)を保有しており、吸収合併でさらに財務基盤の強化を図る。またクリエートは、売上高の約80%がコネクター業界世界2位の米モレックスの日本法人、日本モレックス株式会社との取り引きが占めており、その技術力を生かして、すでに第一施設の製品製造も請け負っており、合併後は同社工場として内省化による製造コスト削減を見込んでいる。合併後の資本金は9450万円のまま。鹿児島事業所長には、クリエート前社長の尾曲伸一(おまがり・しんいち)会長が就く予定。尾曲氏は鹿屋市出身。鹿児島高専卒業後、会社勤務を経て76年個人創業。現在「かのやばら園」を運営するNPO法人ローズリングかのや代表理事も務める。第一施設は、昨年4月にも新潟市亀田の高所作業台メーカー、株式会社シィップを子会社化しており、篠原社長は「M&Aは成長戦略の1つ。経営理念とする“他をもって替えがたい”企業であれば、検討したい」と話している。
 クリエートは1976年12月創業、82年7月設立。資本金1000万円。従業員12人。遠隔操作監視システム、計装制御システム、専用機械装置、搬送システムなどを中心に酒造関連、工業製品製造関連、農業・水産業関連、自動装置製作・設置関連など幅広い業界で導入実績を持つ。第一施設工業は1967年7月設立、資本金9450万円。エレベーター据付工事業から90年に研究開発型メーカーに転換。91年に開発した無塵昇降装置「クリフター」が国内・東南アジアの液晶・半導体工場で約80%のシェアを獲得。08年1月期の売上高は26億7800万円だが、今期はほぼ倍増となる50億円を見込んでいる。