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響灘にLNG火力、洋上風力発電所を新設  北九州市   洋上風力は1000億円かけ16年稼動へ


 北九州市は7月26日、今後の主要プロジェクトとして「地域エネルギー拠点化推進事業」を取りまとめ、響灘地区に大・中規模の火力発電所や洋上風力発電所を新設する計画を固めた。
 次世代に向けたエネルギー供給のあり方について、昨年度1年間の調査・検討を踏まえて構想を取りまとめた。計画では、若松区の響灘地区を対象に新たな発電所の拠点化を推進する。まず、現在同地区で西部ガスの大型LNG基地が建設されている優位性を背景に、LNGを燃料とする大型火力発電所の建設を検討。投資額は2000億円から4000億円を見込んでおり、環境アセスメントなどを経て2017年の着工、2020年の完成を目指す。また、100億円から200億円規模の中規模火力発電所の建設も計画しており、2016年の稼働を目指す。さらに、1000億円規模の洋上風力発電所の建設も計画。昨年の簡易調査で風況がよく、洋上風力の設置条件に適していることが分かったため、国内最大規模の拠点化を進めていく。これらの計画の具体化に向け、8月8日に北九州市地域エネルギー推進会議を設置し、専門部会として火力発電部会を8月23日に、洋上風力発電部会を8月下旬に設置する。
 北九州市はすでに響灘地区で10基の風力発電施設を運営しているほか、9月からは電源開発株式会社の洋上風力発電の実証施設が本格稼働する。拠点化を進める上で地域独自のエネルギー会社の発足も視野に入れる一方、「8月に稼働予定の市民太陽光発電所で市も電力事業に参入する。今後新設する発電所でも、市営に適している分野を模索していきたい」(市環境未来都市推進室)と話している。