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赤字事業の黒字化などで経常利益48%増  西日本鉄道    売上高は3275億円で1・1%増


 西日本鉄道株式会社(福岡市中央区天神1丁目、竹島和幸社長)の12年3月期連結決算は、売上高は前期比1・1%増の3275億9百万円、経常利益は同47・7%増の135億72百万円で増収増益となった。
 主力の運輸業は微減だったものの、国内物流事業の営業収益が大きく上昇した物流業や、分譲事業を伸ばした不動産業が好調に推移し、連結売上高は微増となった。一方、利益面では、物流業が原価低下などで営業利益を約1・8倍と大きく伸ばしたほか、レジャー・サービス業とその他事業をそれぞれ黒字化し大幅増益。しかし当期純利益は、独禁法関連引当金を計上したことなどにより同6・7%減の53億96百万円となった。
 事業別では、運輸業は新博多駅ビル開業に伴う輸送人員の増加があったものの、タクシー事業を筆頭に鉄道事業も減収で、営業収益は同0・4%減の843億18百万円。営業利益は減価償却費の減少などで、同19・0%増の36億72百万円。旅客人員は鉄道事業で同0・8%減、乗合バス事業で同0・1%増。不動産業は賃貸事業で新規取得物件の稼働があったほか、分譲事業でマンション販売戸数が増加、シニアマンションの開業があり、営業収益は同2・9%増の520億29百万円。営業利益は同27・7%増の93億71百万円。流通業はストア事業で株式会社あんくるふじやの連結子会社化による増収があった一方で、株式会社西鉄ストアの決算期変更など影響で、営業収益は同3・2%減の742億65百万となった。営業利益は同12・2%減の7億4百万円。物流業は国際物流事業で海外子会社での増収や燃油サーチャージの高止まりにより、営業収益は同4・9%増の709億19百万円。営業利益は同80・9%増の17億82百万円。レジャー・サービス業はホテル事業での新規開業やその他サービス事業での増収などにより営業収益が同2・1%増の354億63百万円。営業利益は旅行事業等での業績の回復などにより1億13百万円と黒字化した。その他の事業では建設資材事業での受注増などにより営業収益は同0・7%増の478億5百万円、営業利益はバス車体製造事業の廃止に伴う損失の解消などにより、1億37百万円と黒字に転じた。
 今期は経営方針の「中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」に記載する施策を講じ、業績の向上に努める。売上高は前期比3・1%増の3375億円、経常利益は同9・8%増の149億円、当期純利益は同63・1%減の88億円を見込んでいる。