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豪雨被災の樹齢400年クスノキをテーブルに  関家具    価格は1260万円


 家具販売の株式会社関家具(大川市幡保、関文彦社長)は、昨年7月の九州北部豪雨被害で倒れた樹齢400年ほどとみられるクスノキを、復旧作業に当たった木材卸会社から買い取り、大型テーブルとして、このほど発売した。価格は最大で1点1260万円。
 「通常では伐採が許されない大木」(関社長)が、豪雨により流されて流通したため、現在販売拡大に力を入れている木目を生かしたテーブル「一枚板テーブル」の大型商品を製造するため引き取った。20点に裁断し、うち1点を長さ4m、幅2m、厚さ25cm、重さ1tの大型1枚板に加工し、同社が運営する家具ショールーム「大川デザインミュージアム」に展示している。1260万円で販売しており、購入者が決定すれば、テーブルとして製品化する。裁断したその他の素材も一枚板テーブルなどに加工する予定。木材を乾燥させる期間が必要で完成は数年後となる。
 この長さ10m、直径2m、重さ20tのクスノキが生えていた可能性のある場所は、国指定の天然記念物「新舟小屋のクスノキ林」(みやま市)の河川敷で、矢部川の増水により5km離れた同市瀬高町まで流れた。関社長は「これだけの大木を製品化するのはコストがかかるが、何百年も根付いた木を流すほどの豪雨の恐ろしさを物語る象徴として、お金には替えられないストーリーがある。大切に取り扱いたい」と話している。
 同社は1982年11月設立、資本金は1億4000万円。2012年5月期売上高は90億8500万円。従業員は214人。