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福岡大と連携し、事業再生現場での実践的人材育成事業  朝日ビジネスコンサルティング    教育事業第1弾


 朝日ビジネスコンサルティング株式会社(福岡市博多区博多駅前2丁目、古川武史社長)は12月1日に教育事業部を新設し、同事業第1弾として福岡大学次世代人材開発研究所(同市城南区、所長・田村馨同大商学部教授)と連携し、「事業再生の現場での実践的な人材育成事業」を開始する。
 同社は地元の企業・事業再生を多数手がける中、コンサルティング事業のみでは再生が難しい案件が今後も増加すると分析。「企業の基礎体力からの底上げが不可欠」(古川社長)と人材育成事業参入の準備を進めてきた。第1弾事業では、同社が今期中にも子会社化する事業会社の再生現場を学びの場(実践的インターンシップ)として活用。12月開催の事前研修では次世代人材開発研と連携したプログラムも提供し、実践的かつ学術的なこれまでにないスキームで、自ら考え行動する人材や変革のリーダーを目指す人材の育成を目指す。
 事前研修は12月8日、9日、16日の3日間、福岡大(商学部2号館予定)で開催。現場となる企業の経営状況や財務データを題材に会計や財務諸表の読み方など基礎的知識を身につけると同時に、それらを素材にグループワークを通して部門別や横断的な再建策を討議。最終的には個人で企業の再建策を提案書として作成・発表する。研修後、7人ほどを選抜し、来年1月以降、同社の契約社員(半年間)として実際の現場で、事業再生のための企画立案や実行に携わりながら、学びを深める。1クール修了後は、現場企業や同社グル―プで雇用するほか、個人での起業や他企業への転職も可能という。
 対象は変革のリーダーを目指す人やコンサルティング業務に携わりたい人など、転職希望者や新卒、大学生(長期インターン)を想定。事前研修受講は無料で、定員は20~30人。実践的インターシップでは、契約社員として給与を支給する。すでに同社や次世代人材開発研のホームページやフェイスブックを通じて、募集を開始している。
 新設した教育事業部は古川社長を含め4人体制で始動。第1弾事業とは別途に、社内で実践した人材育成手法の、顧客の管理職教育への試行もすでに開始しており、来期には専任5人体制とし、分社化も構想している。子会社化する事業会社は、再生後も売却せずに教育事業における実践的な学びの場として活用する方針。古川社長は、「本事業を手始めに教育事業に本腰を入れたい。クライアント企業のみならず、地域や社会へ次世代の人材を供給することも射程に入れている」と話している。
 同社は2001年6月朝日監査法人(現あずさ監査法人)の100%子会社として設立。04年4月にMBO(経営陣による企業買収)で同法人から独立。資本金5000万円。従業員27人(グループ計)。11年度からの中期5カ年計画では、「クライアントニーズにどこまで応えられるか」を命題に、複数の分野で専門スキルを要する新会社や新事業部の設立を構想している。
 次世代人材開発研は福岡大が昨年4月に設立した産学官連携研究機関。企業、NPO、地方政府と連携し、地域や社会が求める次世代の人材育成プログラムの開発や、人材育成プロジェクトの企画・運営を目指している。