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社長に田村代取専務が昇格、出森社長は代取会長へ  ヤマエ久野    柳川取締役会長は退任


 九州最大手の独立系総合商社、ヤマエ久野株式会社(福岡市博多区博多駅東2丁目、出森義人社長)は5月12日の取締役会で、社長に田村哲丸代表取締役専務が昇格し、出森社長が代表取締役会長に就く役員人事を内定した。6月25日開催の株主総会および取締役会で正式決定する。
 これは任期満了に伴う経営体制の変更で、このほか新取締役に山口春幸物流部長兼物流福岡東支店長と大森礼仁鮮冷部長が就任、柳川信取締役会長は退任する。
 田村氏は山口県出身。1950(昭和25)年2月12日生まれの60歳。専修大学法学部卒。72年4月同社入社、鮮冷部長などを経て、2000年6月取締役に就任。05年6月常務に昇格、08年6月から代表取締役専務。
 出森氏は鹿児島県出身。1947年10月25日生まれの62歳。九州大学法学部卒。71年6月同社入社。熊本支店長などを経て、96年6月取締役就任。2000年6月常務、01年6月代表取締役常務、02年6月代表取締役専務を経て、06年6月に社長就任。
 山口氏は54年3月21日生まれの56歳。77年4月同社入社、99年7月食品福岡支店長、 07年4月物流部長兼食品福岡支店長、同年10月から物流部長兼物流福岡東支店長。
 大森氏は56年4月3日生まれの54歳。79年4月同社入社、2005年7月鮮冷部長に就任。

 販売価格下落で売上微減も経常益は16%増

 同社の2010年3月期決算は、売上高が前期比0・3%減の2637億1千万円、営業利益が22・4%増の29億36百万円、経常利益が16・1%増の29億4百万円の減収増益となった。
 新規取引先の獲得や既存の得意先への拡売に取り組んだが、主力の食品関連事業におけるデフレ傾向の進展による販売価格の下落や、住宅関連事業における新設住宅着工の激減をカバーできず、7億14百万円の減収となった。一方、利益面では、グループ一丸で販売益の確保やローコストオペレーションの追求による経費節減に努力した結果、営業利益が5億38百万円、経常利益が4億2百万円の増益となった。当期純利益は6・8%減の13億71百万円。
 セグメント別に見ると、売上高の約9割を占める食品関連事業は、消費者の低価格志向など業界環境が厳しさを増すなか、新たなボランタリーチェーンの設立による販売策の強化や、連結各社共同での仕入先との連携強化など、新たな取り組みを実施。また、自社商品の開発や地場商品の発掘に力を入れ、市場のニーズに対応した商材提案と売場提案を強化した。物流においては、倉庫内作業の改善活動の推進と新型配車シミュレーションシステムなどのIT機器活用で、コスト節減と物流機能の充実を図った。この結果、売上高が0・2%増の2383億46百万円、営業利益が18・0増の37億1千万円となった。
 第2の柱と位置付ける住宅関連事業では、長引く雇用・所得環境の悪化から09年の全国新設住宅着工戸数が45年振りに80万戸を割り込むなどの影響が直撃。プレカットを中心とした関連商材販売では、大手ハウスビルダーをはじめとする新規販売先の開拓で売上拡大を図るとともに、太陽光発電システムやオール電化商品などの環境対応商材やリフォーム向け商材の拡販にも積極的に取り組んだが、売上高が5・5%減の134億33百万円、営業損失が4百万円(前期は61百万円の損失)となった。
 このほか、賃貸事業は賃貸収入が1・5%減の12億59百万円、営業利益が9・3%増の5億3百万円。運輸燃料関連事業は事業収入および売上高が4・1%減の124億44百万円、営業利益が71・9%増の95百万円。保険関連やレンタカー関連のその他事業は事業収入および売上高が2・3%減の21億42百万円、営業利益が17百万円(前期は営業損失28百万円)。
 今期の連結業績は売上高が1・6%増の2680億円、営業利益が2・2%増の30億円、経常利益が3・3%増の30億円の増収増益、当期純利益も8・1%増の14億5千万円を見込んでいる。