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生菌を高感度で検出できるキットを共同開発  県工業技術センター    熊本の同仁化学研究所と


 福岡県工業技術センター(筑紫野市上古賀3丁目、齋藤宏昭所長)は、熊本県上益城郡益城町の試薬メーカー・株式会社同仁化学研究所(野田栄二社長)と共同で生菌を高感度で検出できる蛍光染色キットを開発した。
 久留米市合川町の生物食品研究所が同社と共同開発したもので、7月7日に同社が発売した。生菌(生きた細菌や酵母などの微生物)の検出には、微生物細胞だけを蛍光試薬で染色し蛍光顕微鏡でその数を直接計測する「蛍光染色法」が用いられている。今回開発した技術は、培養して確認する従来方法と比べ、培養困難な微生物を検出できる上に、通常数日間の培養時間を必要とせず数時間以内で検出が可能という。また、「蛍光染色法」では生菌を選択的に蛍光染色する試薬のCTCが汎用的に利用されているが、染色性が著しく低下する微生物の種類もある。同キットでは、CTC染色時に反応促進物質の「エンセンサー」を加えることで、迅速で高感度な染色が可能となった。生菌検出の精度が飛躍的に高まったことで、飲料水や食品中の生菌を高感度で迅速に検出できるという。