NEWS

  • 地域

汚泥処理のろ過袋で特許を取得  ファーストソリューション    売上目標2千万円


 独自のMC(メッシュカット)工法を使った高速汚泥・濁水処理システムの開発・販売、株式会社ファーストソリューション(福岡市早良区百道浜、高田将文社長)は4月6日、同システムを構成するろ過袋「エコポーチ」で特許を取得した。
 エコポーチは輸送用のフレキシブルコンテナバック製造の日豊製袋工業株式会社の協力により、2007年から3年の歳月を掛けて開発したもの。素材は「カワリ織」という特殊な織りの原反を使ったポリプロピレン製で、水はけを良くするため、直径と高さをそれぞれ1m余りの袋の中心部に排水筒を設けた「センターウェル構造」を採用し、効率的な脱水によって短時間で泥だけを取り出せるようになった。
 MC工法は、自社開発の高速汚泥反応装置「SR3000」と粉体凝集剤「フロックマン」を用いて、汚泥・濁水を高速に沈殿、分解し、沈殿物をこのエコポーチで脱水、脱水ケーキをエコポーチに入れたまま輸送できる。一般的なバキューム車を使用した場合と比べ、処理コストを3分の1に抑えられるという。小型で場所をとらず、現場への反出入も容易なため、東日本大震災の被災地でも活用されている。特許取得を機に、販売を促進し、13年5月期では売上高2千万円、また15年5月期には売上高1億円を目指す。高田社長は「特許を取ることで、技術的な証明ができた。メディアを通しPRすることで販売促進に注力したい」と話している。
 同社は05年7月設立。資本金3百万円。従業員数は2人。汚泥・濁水処理システムで09年1月に福岡県の経営革新支援事業、同8月に経済産業省の新連携事業の認定を受けり、同9月に福岡市の「ステップアップ助成事業」で最優秀賞を受賞している。