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来春めどにタイヤ成型機の製造に参入  森鐵工所    アジア市場の拡大目指す


 タイヤ製造装置部品を手掛ける株式会社森鐵工所(久留米市、森春樹社長)は来春めどにタイヤ成型機の製造に参入する。
 これまで成型機の中核部品である「成型ドラム」(タイヤ用ゴムを円筒形に成型する装置)だけを生産してきたが、アジアの中堅タイヤメーカーの需要拡大に伴い、ドラムを回すモーターやシャフトを一体化した成型機そのものの製造に着手する。同機器は大手タイヤメーカーでは、ほぼ内製化しているといわれるが、中国、台湾、マレーシア、インドネシアなど内製率が低いアジアの中堅メーカー向けに生産していく。
 価格は1台8千万円~1億5千万円を設定しており、2年後には年間10台の販売を目指す。すでに成型機の試作段階に入っており当面は久留米市にある2工場の生産設備を増強して対応できるが、久留米市内で用地1万65百平方m以上、価格面など条件が整った用地が確保できれば、新工場の開設も視野に入れているという。
 森社長は「近年、アジアのタイヤメーカーも付加価値品の生産を強化している。イニシャルコストは高くても精度が高ければ十分受け入れられる。すでに内製化している大手メーカーにも売り込んでいきたい。当事業の強化で2年後には売上高を2倍近くに引き上げたい」と話している。
 同社は1906年4月創業、34年6月設立、資本金2012万円、従業員約50人。タイヤ成型ドラムで世界シェアの約3割を占め、30カ国以上に輸出している。森社長は54年生まれの57歳、横浜国立大学経営学部経営学科卒。