NEWS

  • 地域

新鳥栖駅前に重粒子線がん治療施設  佐賀県や九州電力など    総事業費150億円、13年春開設へ


 佐賀県や九州電力株式会社などは産学官連携で、同県鳥栖市元町に、放射線の一種である「重粒子線」を使用する最先端のがん治療施設建設を計画している。総事業費は150億円で2013年春のオープンを予定している。
 重粒子線がん治療は、従来のX線や陽子線治療に比べ、病巣に対し高い放射線量を集中して照射することができ「周囲の組織への損傷が少なくがんの殺傷効果が高い」(十時忠秀佐賀県医療統括監)のが特長。実現すれば全国で千葉、兵庫、群馬県に続く4施設目となる。場所は「新鳥栖駅」南側向かいで、敷地面積は1万4600平方mとなる予定。建築面積など詳細は未定だが、開院時は治療装置(1室2門)を2室設置し、スタッフは医師や医学物理士、診療放射線技師、看護師などの17人体制でスタートする。主な治療対象は脳腫瘍、頭蓋低腫瘍、中枢神経腫瘍、眼腫瘍(悪性黒色腫を含む)、頭頸部がん、食道がん、肺がん、肝臓がん、すい臓がん、子宮がん、直腸癌術後再発、前立腺がん、骨肉腫、軟部組織腫瘍で、初年度患者数は200人、4年目以降は年間800人を見込んでいる。総事業費150億円のうち約20億円を佐賀県が補助し、残りの130億円を出資や寄付で集める予定。
 同センター開設支援委員長に松尾九経連会長
 また同センター開設の資金調達組織として、10月26日付で九州国際重粒子線がん治療センター開設支援委員会を設立し、委員長に松尾新吾九州経済連合会会長が就任した。
 構成メンバーは次の通り。
 ▼委員長 九州経済連合会会長松尾新吾▼副委員長 九州商工会議所連合会会長河部浩幸、佐賀県商工会議所連合会会長指山弘養▼幹事長 株式会社九電工社長橋田紘一▼幹事 久光製薬株式会社社長中冨博隆、九州電力株式会社副社長貫正義、佐賀県知事古川康、鳥栖市長橋本康志、佐賀県医療統括監十時忠秀、九州重粒子線施設管理株式会社社長山野宏