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新幹線やJR博多シティの開業効果で好決算  九州旅客鉄道    経常利益は2・3倍の202億円


 九州旅客鉄道(福岡市博多区博多駅前3丁目、唐池恒二社長)の12年3月期連結決算は、売上高は前期比12・0%増の3328億1千万円、経常利益は同2・3倍の202億72百万円で増収増益だった。
 昨年3月の九州新幹線の全線開業とJR博多シティの開業初年度として、両プロジェクトの効果を引き出す戦略を積極的に打ち出し、収益ともに過去最高の好決算となった。売り上げ面では、九州新幹線関連の新商品の販促で主力の運輸サービスが好調に推移し、業績をけん引。利益面では、駅ビル・不動産、流通・外食などのグループ事業が軒並み好調で、運輸サービスの損失分を補った。当期純利益は同3・1倍の67億5百万円となった。
 事業別に見ると、運輸サービスグループは「九州新幹線2枚きっぷ」や「ビックリつばめ2枚きっぷ」などの九州新幹線関連商品の販売に力を注いだほか、輸送、旅行などの事業でも積極的な販促に努め、営業収益は同19・0%増の1712億37百万円、経常損失は前期より5億38百万円改善し、4億16百万円の赤字に圧縮した。建設工事はJR博多シティなどの大型工事完了の影響で営業収益は同20・1%減の645億66百万円だったが、経常利益は同14・1%増の32億51百万円と増益を示した。駅ビル・不動産グループはMJRブランドのマンション販売やJR博多シティのテナント誘致、販促で収益を拡大し、営業収益は同32・1%増の473億39百万円、経常利益は同82・1%増の181億85百万円の大幅増益。流通・外食グループは積極的な新規出店や海外進出で営業収益は同10・0%増の838億79百万円、経常利益は同2・1倍の24億71百万円。その他グループは宮崎でホテルの開業などがあり、営業収益は同4・3%増の473億94百万円、経常利益は同2・7倍の10億6千万円となった。
 今期は新たな新中期経営計画の1年目として、売上高は前期比2・0%増の3394億円、経常利益は同43・3%減の115億円の増収減益を見込む。