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好材料乏しく減収も経常益は21・3%増  電通九州    2期ぶりの増益


 広告代理業、株式会社電通九州(福岡市中央区赤坂1丁目、山渋幸徳社長)の2010年3月期決算は、売上高が4・0%減の288億54百万円、経常利益が21・3%増の6億32百万円で減収増益となった。当期純利益は12・5%増の3億27百万円だった。
 「2009年(平成21年)日本の広告費」(株式会社電通調べ。今年2月22日発表)によると、09年(暦年)の日本の総広告費は5兆9222億円、前年比88・5%とと2年連続の減少。九州域内の広告市場も大型イベントなどの好材料が乏しく、厳しい事業環境が継続した。同社では広告主の多彩なニーズへの即応に努めたが、売上高は04年3月期以来6期ぶりに3百億円台割れ。
 一方で全社的なコストコントロールに努めた結果、2期ぶりの増益を確保した。今期予想数値は公表していないが、同社では「厳しい環境が続くが、内を見れば来年の九州新幹線全線開業に向けて地域振興が活性化。外に目を向ければ中国・アジアの存在感が増しており、半歩先の提案で新たなコミュニケーション・ニーズの掘り起こしに努めたい」と話している。
 同社は株式会社電通(東京都)の国内営業ネットワーク再編に伴い、1995(平成7)年1月に株式会社電通100%出資の地域会社として設立。資本金4億円。従業員数208人。売上高は設立以来、九州の広告会社でトップ。

 常務に親会社・電通の百束英二氏

 また、同社の常務に6月17日付で親会社、株式会社電通の百束英二(ひゃくそく・えいじ)ビジネス推進局シニア・プロジェクト・マネージャーが就任した。
 百束氏は東京都出身。1954年5月15日生まれの56歳。東北大学経済学部卒。78年4月同社入社、同5月東京本社新聞雑誌局を振り出しに、99年6月第11営業局営業部長、2004年4月第20営業局次長、08年6月アカウント業務管理室(現ビジネス推進局)シニア・プロジェクト・マネージャー。
 電通九州の新体制は次の通り。
 ▼社長 山渋幸徳▼専務 統轄部門担当=畑間孝雄、メディア部門担当=野口裕▼常務(株式会社電通ビジネス推進局シニア・プロジェクト・マネージャー)営業部門、支社・営業所担当=百束英二▼取締役 ソリューション部門担当=齋藤潤、営業部門、ソリューション部門担当=大坪満、建設業関連業務担務=小泉純理▼非常勤取締役 株式会社電通グループ経営推進局プロジェクト・マネージャー=鈴木明彦▼監査役 山内勝義▼退任 非常勤取締役高野栄紀