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売上高微減もコストコントロールで経常益は35%増  電通九州    売上高は3期連続で3百億円台を確保


 広告代理業、株式会社電通九州(福岡市中央区赤坂1丁目、山渋幸徳社長)の2013年3月期決算は、売上高が前期比0・9%減の301億6200万円、経常利益が35・8%増の9億1700万円で減収増益となった。当期純利益は82・2%増の5億1000万円で大幅な増益だった。
 「2012(平成24)年日本の広告費」(株式会社電通調べ。今年2月21日発表)によると、12年(暦年)の日本の総広告費は前年比3・2%増の5兆8913億円と5年ぶりに増加に転じた。九州域内の広告市場は、企業の地域に密着した事業基盤の固さもあり、出稿量は堅調に推移。その中で同社は昨年4月に通信販売分野やインターネットなどのデジタル領域の専門部署「ダイレクト&デジタルビジネス部」を新設するなど多彩なニーズへの対応力向上に注力。売上高は微減となったものの、通販関連のけん引もあり3期連続で300億円台を確保した。利益面では営業経費や販売管理費など全社的なコストコントロールに努め、経常利益、当期純利益ともに2期ぶりの増益となった。
 今期予想数値は公表していないが、同社では「政権交代で景気回復基調にあり、ここ数年頭打ちだった九州の広告市場規模も地元企業が手がける新規ビジネスの展開次第で今後の拡大が期待できる。また、電通グループ全体の知見とノウハウを駆使しながら、半歩先の提案で地域活性化に寄与し、増収増益につなげたい」と話している。
 同社は株式会社電通の国内営業ネットワーク再編に伴い、1995年1月に株式会社電通100%出資の地域会社として設立。資本金4億円。従業員数274人(今年6月1日現在)。売上高は設立以来、九州の広告会社でトップ。

 専務に電通の木村専任局長

 また、同社の専務に親会社、株式会社電通の木村研二ラジオテレビ&エンタテインメント局専任局長が就任する。6月25日付。
 木村氏は岡山県出身。1957(昭和32)年5月8日生まれの56歳。慶應義塾大学法学部卒。80年4月株式会社電通入社、同5月東京本社新聞雑誌局、99年7月メディア第2本部テレビ局スポット2部部長、2005年1月メディア・コンテンツ第2本部テレビ局局次長を経て、10年10月からテレビ&エンタテインメント局(昨年4月にラジオ局と統合)専任局長を務めていた。趣味は登山。
 新体制は次の通り。
 ▼社長 山渋幸徳▼専務(株式会社電通ラジオテレビ&エンタテインメント局専任局長)メディア部門担当木村研二▼常務 営業部門・支社担当嘉村裕三、統轄部門担当池田和彦▼取締役 ソリューション部門担当川端淳一、ソリューション部門担当・営業部門補佐大坪満、建設業関連業務担務満江昭生▼非常勤取締役 株式会社電通ビジネス統括局専任部長篠原大介▼監査役 松井至