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受注環境回復や既存営業所好調で増収増益  カンサイ    増収は3期ぶり


 電設資材卸売の地場最大手、株式会社カンサイ(福岡市博多区東比恵三丁目、忍田勉社長)の2011年3月期決算は、売上高が前期比4・3%増の199億27百万円、経常利益が同1・0%増の3億83百万円で増収増益だった。
 住宅の新規着工件数が09年度と比べて増加するなど、08年のリーマン・ショック以降に悪化した建築業界の受注環境に回復の兆しが見られたのに加え、既存営業所の新規開拓や既存取引先との受注拡大が好調に推移した結果、3期ぶりの増収となり、当初目標の2百億円に迫った。当期純利益は前副社長の退職慰労金などを特別損失として計上したため、49・1%減の1億11百万円となった。
 またグループ企業の売上高は、配電盤・分電盤製造の三葉電機工業株式会社が2%増の18億円。防災関連や電話工事など弱電工事全般の株式会社ロッコウアトムが5%増の6億5千万円。電設資材卸売の株式会社日進商会がほぼ横ばいの15億1千万円。同じく電設資材卸売の九州昭和株式会社が3・5%減の12億1千万円、09年10月に住宅リフォーム会社を子会社化し、カンサイの住設事業部と統合した株式会社カンサイしんこうが77%増の3億5千万円。単純合算のグループ売上高は4・1%増の約255億円となった。
 今期はカンサイ単体で売上高が約6・4%増の212億円、今年4月に設立した株式会社カンサイ南九州社を除くグループの単純合算売上高も5・4%増の269億円と2期連続の増収を目指している。忍田社長は「建築業界は底を脱した感があるが、東日本大震災の影響で不透明な部分が多い。今後もこれまで以上に川上に当たる施主などへの営業強化や新領域の開拓に取り組み、4期ぶりに単体売上高2百億円台を達成したい」と話している。