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医療センター内に世界初のがんワクチンセンター  久留米大学   センター長には伊東恭悟教授


 久留米大学(久留米市旭町、永田見生学長)は7月11日、医学部附属医療センター(同市国分町)内に「がんワクチンセンター」を開所した。
 同大学で開発中の「がんペプチドワクチン」の医薬品承認を目指して基礎、臨床研究を実施するため開設したもので、ペプチドワクチン療法では世界初の施設という。タンパク質の断片である「ペプチド」を用いたがんペプチドワクチン治療は、がん細胞に特有のペプチドを注射し、患者自身の持っている免疫力を高めてがんの増大を抑える治療法。現在、同大では前立腺がんと悪性脳腫瘍である膠芽(こうが)腫の治療に使用するワクチンの医薬品承認を得るための最終段階の試験(第3相治験)に取り組んでいる。
 新施設は、診察室5室、研究室17室を設け、治験と自由診療を行う診療部門、がんワクチンやがん漢方薬などの研究部門と管理部門を設置。センター長には免疫学、免疫治療学を専門にする伊東恭悟教授が就任した。がんワクチンセンターでは「実用化時代を迎えるがんワクチンの一日も早い臨床現場への提供を目指したい」と話している。