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北九州・新門司にメガソーラーを建設  新出光    約9億円投じ、12月稼働予定


 石油製品販売の株式会社新出光(福岡市博多区上呉服町、出光泰典社長)は、コカ・コーラウエスト株式会社が保有する北九州市門司区新門司の工場跡地約5ヘクタールを借り、約9億円を投じて出力約2・9メガワット(MW)のメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設する。9月に着工し、12月に完成・稼働予定。
 これは非石油事業拡大の1つとして、太陽光発電システム販売・施工を手掛けるソーラー事業を強化する中、太陽光発電に関するノウハウ獲得・蓄積などを目的に発電事業を展開する一環。昨年12月に完成した同市若松区(出力約0・5MW)と、今年度稼働予定の鹿児島市(同約0・6MW)を含めて3カ所目で、自社遊休地以外では初。「(仮称)新出光新門司ソーラーパーク」は太陽光パネル約1万枚を張り巡らし、同社最大級のソーラー発電所とする。年間発電量は一般家庭約853世帯分に相当する326万キロワット時を見込み、全量を九州電力に売却する。
 同社ソーラー事業部では、5月から太陽光専用ホームページ上で若松のソーラー発電所の月別発電量と売電金額の当初予想と実績の公表を開始。これに新門司や鹿児島での実績を加えることで、資産活用目的で売電事業を検討する企業などに対して、より的確な提案営業に生かしていく。また、参加する産学官で設立された北九州市太陽光発電普及促進協議会(事務局・北九州市環境局環境未来都市推進室)とも連携していく方針。

 小規模分譲型のソーラーを計画

 また、同社は今後、遊休地や屋根など太陽光発電システムの適当な設置場所を持たない法人や個人向けに小規模分譲型のソーラー発電所を計画している。
 「再生可能エネルギー固定価格買取制度」は2年目を迎え、大型発電施設に加え、比較的小規模な遊休地やアパート・事業所の屋根などへの設置増加が見込まれている。一方で、今年度見直しされた買い取り価格での事業計画立案や事業リスクへの対応に時間を要し、参入を決めかねる企業が多いことから、同社では新しい形の太陽光発電投資として、従来の土地活用型ではなく、土地と太陽光パネルをセットで販売する分譲型のソーラー発電所を展開していくもの。構想では、同社が150平方m~1000平方mの土地に10KW以上50KW未満のソーラー発電所を建設し、区画ごとに販売。管理・保守も同社グループで一括して請け負う。
 同社では小規模分譲型ソーラーの展開を前に6月から、福岡はじめ九州5カ所で太陽光発電参入を検討する企業を対象としたセミナーを開催する。同セミナーでは同社のほか、太陽光パネルメーカーのソーラーフロンティア株式会社や三菱UFJリース株式会社、三井住友海上保険株式会社、株式会社日本政策金融公庫の担当者が講師を務める。新規事業としての太陽光発電やリース活用によるコスト平準化、資産運用、節税など事業化検証のポイントや参入・取り組み方法、小規模分譲型ソーラーについて説明する。詳細・申し込みは同社太陽光専用HPまで。ソーラー事業部の小野正彦次長は「電力買い取り価格は下がったものの、投資としては十分採算に合う水準。この1年がラストチャンスと思って、土地活用型、分譲型問わず、多くの企業に最適なプランを提案していきたい」と話している。