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九州初のFCV公用車が出発式  福岡県    小川知事「動きが滑らかで運転しやすい」


 福岡県は2月12日、トヨタ自動車のFCV(燃料電池自動車)「ミライ」を九州で初めて導入し、県庁前で出発式を開いた。
 ミライはトヨタ自動車が昨年12月に発売した世界初の一般向け燃料電池自動車で、水素を燃料にCO2を排出しないなど環境性能が高く、3分程度の充填で約650kmを走行できる。福岡県では昨年8月、産官学でのFCV普及拡大に向けた「ふくおかFCVクラブ」を発足しており、水素ステーションの整備推進や県公用車の導入を約束していた。納車当日は、福岡県庁前で出発式が開催され、FCVクラブ会長を務める小川洋福岡県知事、麻生泰九州経済連合会会長のほか、トヨタ自動車の毛利悟専務役員、福岡トヨタ自動車の金子直幹社長、福岡県議会の加地邦雄議長が参加した。小川知事にゴールデンキーを手渡した毛利専務役員は「福岡県の関係者とともに、こうしてミライの出発を祝うことができて大変嬉しい。今後もFCVの普及を通じて、水素社会の実現に貢献していく」と語った。
 その後、小川知事がハンドルを取り、麻生会長と加持議長が同乗してミライを試験走行。小川知事は「九州で初めてFCVを運転できて大変光栄。動きが滑らかで非常に運転しやすかった」と感想を話し、麻生会長は「静かでスムーズな走りに驚いた。おそらく小川知事の運転の腕が良いのではなく、車の性能が良いのだろう」とコメントして周囲の笑いを誘った。
 ミライの価格は723万円で、国の補助金(202万円)を含めると約520万円で購入でき、同社の「クラウン」並みの価格帯。EV(電気自動車)に比べ充填時間の短さ、航続距離の長さに優位性があるが、水素の充填には専用の「水素ステーション」が必要で、そのインフラ整備が普及拡大の鍵となる。福岡県では来年度までに10件の水素ステーション整備を目標とし、現在は北九州市小倉北区、福岡市中央区天神などで3件の商用ステーションが整備されている。