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上期契約二けた増 今期年商500億円超に  セキスイハイム九州    村上和正社長に聞く


 住宅着工数が減少する中、セキスイハイム九州株式会社(福岡市中央区高砂2丁目、村上和正社長)は、今年3月期売上高は前期比8%増の472億円、今上期の契約数も前年同期比12%増と順調だ。村上社長に聞いた。
 -07年度、積水化学工業の住宅部門売上高は前年を割ったが、セキスイハイム九州が順調だった要因は。
 村上 戸建てでは不動産の分譲関係が好調だった。また、九州では「JX」というタイル外壁の住宅がメーンでこれも好調。太陽光発電も全国に先駆けて九州で進めており、積水化学工業全体で6万棟のうち、1万棟は九州だ。それから床暖房の「ウォームファクトリー」も好評を得ている。
 -エリアは沖縄を除く九州7だが、地域別には。
 村上 福岡が売り上げの4割近くを占めている。また、全体的に伸びてきているが、特に福岡、熊本の伸びがいい。福岡は分譲関係が伸びており、熊本は小まめな営業政策で、営業指導もうまくいっている印象だ。
 -今期の業績見通しと現況は。
 村上 今期の売上目標は前期比9%増の515億円で、これはクリアできそうだ。上期の契約数は870棟、前年同期比12%増と順調に推移している。特に9月の契約数は前年同月比30%増と大幅に伸びた。
 -今後の見通しは。環境としては楽ではないが。
 村上 9月の反動がどう出るか、10月以降は注意して見ている。このところ九州の戸建ての年間着工数は1万8000戸ほどで止まっているが、今後はサブプライムの問題で実体経済が悪化し、今後は減っていくと思う。
 -そうなると、今までのペースで伸ばすのは難しいのでは。
 村上 車や家電と違い、ハウスメーカー各社ともシェアは低く、多数の業者で市場を分け合っている形で、がんばればシェアを増やすことはできる。ただ2けた近い成長を維持できるかどうかは分からない。人口減少で顧客の絶対数も減ってくるし、今の情勢だと慎重にもなるだろう。また、住宅販売という事業は毎年1割も2割も伸ばす事業ではない。われわれはユニットを工場生産するからまだいいが、現場ですべて建てる場合には、いろいろな職種の人員が必要になる。一時的に仕事が増えたからといって、その分社員数を増やすと負担が大きい。
 08年下期は厳しくなる予想だが、05年に九州各県の販社を統合し、今年10月にユニット製造会社の西日本セキスイ工業を子会社化して、九州セキスイハイム不動産、リフォームのセキスイファミエス九州を含めて九州ではグループ4社体制になった。これで販売、製造、工事、リフォーム、不動産と一連の流れができ、全体としてパワーアップできるので、これからは九州で「総合住宅事業」に取り組んでいく。
 -今後の取り組みについては。
 村上 家具作りのノウハウを採り入れた収納庫をセットにした企画を進めており、できれば大川の家具メーカーなどと共同で進めていければと考えている。またこのほかにも、内装材に地元産の材料・素材を使った商品の開発も構想中で、地域の活力アップの一助にもなればと考えている。(詳細は「ふくおか経済」2008年12月号に掲載)