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ビックカメラのグループ会社に  ベスト電器    役員を相互派遣


 地場家電量販大手・株式会社ベスト電器(福岡市博多区千代6丁目、濱田孝社長)は、10月15日、株式会社ビッグカメラ(東京都豊島区高田3丁目、宮嶋宏幸社長)の持ち分法適用会社となり、ビックカメラの関連会社になったことを明らかにした。
 同社は2007年9月、店舗展開エリアと店舗特性の相互補完および相乗効果を目的に株式会社ビックカメラと業務・資本提携を締結。08年8月には株式会社ベスト電器の自己株式500万株を譲渡し、持ち株比率14・86%の筆頭株主となるなど提携関係を強化してきたが、全国的な家電小売業界における競争激化を背景に、さらなる提携効果の早期拡大を図る目的でグループ化に合意したもの。株式会社ビックカメラは株式市場で株式会社ベスト電器の株式15万株(取得価額約5000万円)を追加取得し、持ち株比率を15・03%(所有株式1357万7000株)まで引き上げる。本来、持ち分法を適用し、グループ化するには株式出資比率20%以上が条件となるが、取締役の相互派遣を実施する場合、15%以上でも適応されるという。月内には株式会社ビックカメラの新井隆二会長が株式会社ベスト電器顧問に、有薗憲一株式会社ベスト電器会長が株式会社ビックカメラ顧問に就任する方針。同社では「今後も経営情報の共有を図り、両社の業務・資本提携に基づく提携効果の早期実現、さらなる企業価値の向上に取り組んでいく」と話している。

 さくらや利益改善で経常26・2%増益

 また、同社の2008年8月期中間連結決算(連結子会社は19社)は、売上高が1971憶7800万円で前年同期比5・7%減、経常利益は5億7000万円で同26・2%増の減収増益となった。当期純利益は3億1400万円で同32・4%増。
 当期は不採算の直営10店舗(うち海外1店舗)、FC9店舗を閉鎖し、新規では直営14店舗(同4店舗)、FC6店舗の計20店舗を出店。他社店舗間の競争激化に伴う商品単価の下落および携帯電話・パソコン需要の低迷、不採算店による売上不振で減収となったものの、連結子会社で家電製品小売業・株式会社さくらや(東京都新宿区、真崎光晴社長)の事業効率化や物流コスト削減など利益改善策が奏功し、増益となった。
 事業別内訳は家電小売業が売上高1673億9900万円で前年比7・0%減、家電卸売業が244億2200万円で同3・8%増、クレジット事業が信販会社との契約変更および改正貸金業法の影響で9億5400万円の同34・4%減、サービス事業はエアコン取付設置工事件数の増加で24億5800万円の同2・9%増となった。同社では2013年までの5カ年中期経営計画に基づき、全国の不採算店舗60店舗を再編。今後、経営資源を九州・沖縄エリアに集中し、同地区の販売シェアを現在の18%から30%まで拡大。また、ベトナムでの合弁会社設立やアラブ首長国連邦(UAE)へのFC展開も視野に入れるなど、通期連結で売上高3900億円(前年同期比5・7%減)、経常利益20億円(同452・5%増)、当期純利益14億円(前年度当期純損失56億4000万円)を見込む。
 同社は1953年9月設立。資本金は318億3200万円、従業員数は3747人(07年2月現在)。現在、直営278店舗(海外39店舗)、FC290店舗の計568店舗を展開している。