NEWS

  • 地域

オリックスと太陽光発電ESCO事業を開始  新出光    初期投資負担なくグリーン施設が実現


 石油製品販売、株式会社新出光(福岡市博多区上呉服町、出光芳秀社長)は1月、総合リース最大手のオリックス株式会社と協業で太陽光発電ESCO事業を開始した。
ESCOとは「エネルギー・サービス・カンパニー」の略称で、企業や自治体に対して省エネルギーの提案、施設の提供、維持・管理・コンサルティングなど包括的なサービスを行い、提案先のコスト削減メリットの一部を報酬として得る事業。導入側には、初期投資負担がなくグリーン施設が実現可能なことから、着実に広まりつつある。同社は国内石油需要が減少する中、非石油事業を強化しており、今後需要拡大が見込まれる太陽光発電システム事業をその新たな柱の一つと位置付けている。なかでも産業用の販売強化においては、ESCO事業を手がけるオリックスとの提携で、そのファイナンスノウハウを活用するとともに、顧客に対して省エネ機器全般を提供する態勢を整え、競争力を高める狙い。太陽光発電におけるESCO事業の取り組みは、九州地区初のケースという。具体的には同ESCOサービスでは、初期投資負担がなくグリーン施設が実現可能な太陽光発電システムを提案するほか、「補助金申請代行」「グリーン電力販売」「余剰電力販売サポート」などを行い、さらなるコスト削減を支援。また、最大の特徴として、年間を通じた「発電量保証」も実施する。
 同社では今年4月1日付で、担当部署の新エネルギー課を「ソーラー事業課」に改称し、営業本部長直轄に改編。また、課員18人のうち8人を九州の8支店に専任要員として配置する。今年4月の改正省エネ法施行や今後拡充が期待される国の助成金などによる需要拡大を注視しながら、営業拡大を図っていく。ソーラー事業課の小野正彦課長は「企業にとって環境対策は対外的なアピールになる。ESCO事業で導入企業のお役に立ち、新たな需要を開拓していきたい」と話している。同社の太陽光発電システム事業は、2006年に新エネルギー課において販売開始。当初担当社員は2人だったが、順次増員し、08年秋に16人体制に。昨年9月には、販売から施工に至る一貫体制構築のため、熊本市の太陽光発電システム施工会社、株式会社エネルギーテクノサービスをグループ会社化。また、同12月には、一般需要開拓を期し、大型SC「ゆめタウン行橋」(行橋市)と「ゆめタウンサンピアン」(熊本市)内に太陽光発電やオール電化のショールーム「ECO PLAZA」をオープンしている。