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「九州経済はアジアの域内需要維持に注目」  白川・日銀総裁    九経同主催の特別講演会で


 白川方明・日本銀行総裁は、12月1日、九州経済同友会主催の特別講演会で、最近の金融経済情勢と金融政策運営をテーマに講演した。日銀総裁の福岡市での講演は、福井俊彦前総裁が講演した03年12月以来5年ぶり。会場のホテル日航福岡には、九州各県の企業経営者など約500人が出席した。
 白川総裁は、日本経済の現状と展望、米欧金融危機とその影響、日本の金融環境などのテーマ別に講演。当面の金融政策運営について、「金融政策の緩和効果を十分発揮させるには、金融市場が安定的、かつ円滑に機能することが不可欠」とした上で、「企業金融の円滑化のために中央銀行としてどのような貢献ができるか。対応策の実務的な検討を終え次第、できるだけ早いタイミングで導入を決定し、実行に移していきたいと考えている」と今後の方針を述べた。
 また、今後の九州経済の動向について「日本経済・世界経済全体の動向ともに、特にアジア経済の動向によっても大きな影響を受けると思う。先行きを考える上では、米欧経済の悪化がどの程度続くかという見通しにも依存するが、アジア経済のダイナミズムを生かしながら、中国等における政策対応などによって、力強い域内需要を維持できるかどうかに注目していきたいと思っている」と語った。白川総裁は1949(昭和24)年9月27日生まれの59歳。北九州市出身。東京大学経済学部卒。72年日本銀行入行。日本銀行理事、京都大学公共政策大学院教授などを経て08年3月副総裁、4月9日付で第30代総裁に就任した。