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国の「脱炭素先行地域」に選定 北九州市


週刊経済2022年5月17日発行

18自治体で連携

北九州市は4月26日、同市と行橋市や苅田町、直方市など周辺18市町からなる北九州都市圏域が、国の脱炭素先行地域に選ばれたと発表した。
「脱炭素先行地域」とは、地域の再生可能エネルギーを最大限に活用して、2030年までにCO2排出の実質ゼロを実現、削減していく地域のことを指す。2025年までに100カ所選定される予定で、九州では熊本県球磨村と鹿児島県知名町が同じく選定地域に選ばれている。
今後、北九州市を軸とする北九州都市圏域の18自治体で連携を図り、公共施設に太陽光パネルと蓄電池の導入を進めていく。北九州市では、市内の公共施設約290カ所に太陽光発電を導入予定で、そこで発電した電力で北九州都市圏域内にある公共施設約3600カ所の電力をまかなう計画。第3者所有方式による初期コストゼロでの設備導入、エコタウン企業や自動車メーカーなどと連携した中古太陽光パネルのリユース、使用済み車載用バッテリーを定置型蓄電池として二次利用するなどの施策が評価され、選定に至った。
北九州市環境局グリーン成長推進課の工藤課長は「北九州市の公共施設を再エネでまかなう施策の宣言は政令市、都道府県レベルでみると北九州市が初めて。今後、推進本部を設置して体制強化を図り、地域脱炭素の実現を目指したい」と話している。