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19歳コンビが福岡NSC初代首席卒業


現役弁護士など福岡吉本のニューカマーに

吉本興業(株)(大阪市)のタレント養成校「吉本総合芸能学院」(通称・NSC)福岡校が開校して1年を迎え、この春晴れて卒業生29人がアマチュアからプロの芸人として新たな人生をスタートさせる。

これまでダウンタウン(NSC大阪校1期卒)や品川庄司(NSC東京校1期卒)など多数の芸人を輩出してきたNSC。3月23日、栄えある福岡校1期卒の”首席卒業”を懸け漫才で争う「NSC福岡校1期生卒業大ライブ」がイムズホール(福岡市中央区天神1丁目)で開かれ、19歳コンビ「ザ・ローリングモンキーズ」がお笑い登竜門の初代首席を勝ち取った。

初代首席卒業を勝ち取った「ザ・ローリングモンキーズ」の2人。左から長崎県島原市出身の克樹(カツキ)さんと、福岡県糸島市出身の武冴士(ムサシ)さん。今後テレビなどメディア露出の機会が増えることが期待される

福岡校は大阪、東京の各校と異なり、土日、祝日のみ開講することで、芸能界への夢を諦めきれない社会人にも門戸を開くことを目指し開校した。今回の卒業者の中には弁護士や介護士として活躍してきた人も存在し、これから福岡吉本所属の芸能人とのダブルキャリアの人生を歩む人もいる。

お笑いコンビ「弁護士たち」の篠原一明さん(右)は県内で個人弁護士事務所を運営。今後は弁護士と芸人の二刀流で活動するという。相方は中村圭太さん

当日は、定数400枚のチケットが完売し満席となった。漫才は3ブロックに分かれて披露。来場した観客と、審査員として招かれた放送作家や在福民放テレビ局のプロデューサー、(株)よしもとクリエイティブ・エージェンシー(大阪市)の泉正隆会長ら計9人が投票し、各ブロックから最も評価の高い1組が選出され、決勝戦として3組が再びネタを発表した。

決勝戦の最後に登場した「ザ・ローリングモンキー」は、鼻息の音を使った独特のネタで終始会場を爆笑の渦に巻き込み、その後の審査員投票でも勢いそのまま最多得票数を獲得。見事初代首席卒業を勝ち取った。

400席が完売。熱心なお笑いファンやNSC生の家族などが来場し、会場は熱気を帯びていた

優勝したザ・ローリングモンキーは「NSCに入ってよかった。やれることはやれたので、結果が出て本当に嬉しい」とコメントし、喜びを噛み締めた。また、副賞として、東京、大阪、福岡のNSC首席卒業者によるライブ出場権(5月18日、天神ビブレホール)と、お笑い賞レースのための交通費往復1回分が贈呈されている。

泉よしもとクリエイティブ・エージェンシー会長は「今日は通過点でしかない。これからどれだけ積み上げていけるかにかかっている。私自身、NSC大阪校でダウンタウンと同期だったが、首席はトミーズで、ダウンタウンは5番目だった。今回首席じゃなかった人もまだまだチャンスがある。諦めないで頑張ってほしい」と養成所を卒業する将来のスター候補者たちにエールを送っていた。

卒業ライブに駆けつけた泉正隆よしもとクリエイティブ・エージェンシー会長

NSC福岡1期卒業生は今後26人が福岡吉本に所属し、2人は東京のよしもとクリエイティブ・エージェンシーに移籍するという。

福岡吉本は今年で発足30周年。NSC福岡校では現在2期生の募集も進めており、これからも新たな福岡お笑い界のスター誕生に注目が集まるところだ。

(編集部/金縄洋右)