INTERVIEW

二部昇格 アメフト福岡SUNSの挑戦


九州初の日本社会人アメリカンフットボール(Xリーグ)加盟チームとして活動する・オーパーツ福岡SUNS(サンズ)は昨シーズン発足初年度で3部リーグを制覇。2部昇格を賭けた入替戦でも勝利しX2に昇格した。チームは現在秋から始まるシーズンに向けすでに始動。代表、監督、選手の3つの顔を持つ(一社)福岡SUNS・吉野至代表に秋から始まる今シーズンの意気込みを聞いた。(取材・金縄洋右)

「想定よりも2倍、3倍のスピードで進んでいる」

—チーム発足から1年。運営面、チームの戦力など、これまでの感想を。

吉野 発足まもない昨年の今ごろはスポンサー数0、メンバーもなかなか集まらない状況でしたが、現在(18年2月末)スポンサー数は小口を含め約20社集まり、メンバーも上限ギリギリの65人で、メディカルスタッフなども含めると100人規模に増えました。昨年は無事昇格もでき、想定よりも2倍、3倍のスピードで進んでいる感覚です。

—昇格によって、大卒選手の加入も期待できそうですね。

吉野 まだすべて正式決定ではないですが、自身が監督を務める・西南学院大学からキャプテンやエース級の選手など4人、福岡大学から2人加入の見込みです。また、昨年の学生王者・日本大学など関東圏の大学からも選手が加入するかもしれません。あとは、1部リーグから選手数名が移籍予定です。福岡県出身、あるいは在住者が多く、「九州・福岡から日本一を目指す」という目標に共感してくれる人が集まっています。

X2には古巣の西宮ブルーインズ(兵庫県)も所属しているので、対戦する可能性もあります。

吉野 知っている選手が多く在籍しており、1部から降格してきたクラブホークアイ(大阪府)には出身校の関西大学で中心メンバーだった選手など良い選手も多くいますので、フットボールを楽しむという意味では非常に楽しみですね。

 写真 司令塔であるQB4番・前田寛二の活躍が1部昇格の鍵を握る

 

「X2参入初年度も優勝、1部昇格へ」

—今年はどんなチームづくりを。

吉野 去年は勢いで突破できた部分があったので、春からはチームの地盤固めから着手します。まずは春のトーナメントを優勝し、課題点を見つけて夏の合宿で鍛え直し、シーズン優勝を目指します。その後の1部下位チームとの入替戦でしっかり勝てるように仕上げていきます。

—具体的には。

吉野 オフェンス面では、主力の1人にクォーターバック(QB)前田(立命館大学卒)がいるのですが、シーズン1年間を一緒に戦えるバックアップ選手が必要です。また、ランニングバック(RB)、レシーバーをなかなか確保できなかったので、その強化をこれからしていきたいです。ランプレーやパスプレーなどが強化ポイントですので、新戦力を通じて強化する計画です。ディフェンス面は昨年失点0のゲームが多く続いたので、2部でも継続できるようしっかりやっていきたいですね。

—4月22日、エレコム神戸ファイニーズ(昨年1部WEST6チーム中2位)と県営春日公園球技場(14時開始予定)で交流戦が決定しました。

吉野 これまでXリーグ同士の試合は関西地区でしか開催されなかったので、初のホーム開催を福岡のファンの皆さんやスポンサーさんの前でやりたいと各方面に働きかけました。

関西の強いチームと試合を組むのが目的でしたが、エレコムさんは昨年関西地区2位の強豪です。自分たちの実力を試したい思いや、強いチームを倒したいという思いです。

吉野 至(よしの・いたる)
大阪府出身。1988年9月27日生まれの29歳。(一社)福岡SUNS代表、選手兼監督。西南学院大学アメフト部監督も務める。ポジションは:K(キッカー).P(パンター).DB(ディフェンシブバック)。関西大学在学時に学生日本一を経験。その後オクトーバーベアーズ、西宮ブルーインズでプレー。15年には西南学院大ヘッドコーチとして同チームを九州勢初の全国ベスト4に導いた