INTERVIEW

    「博多弁はお笑い向き」福岡独自の文化創出へ/吉本興業・新田敦生劇場支配人


     

    複合エンターテインメント施設「BOSS E・ZO FUKUOKA」(福岡市中央区地行浜2丁目)に7月31日にオープンした吉本興業(株)(大阪市)の常設劇場「よしもと福岡 大和証券/CONNECT劇場」(501席)は同社が運営する劇場の中でも、なんばグランド花月(大阪市)、よしもと祇園花月(京都府)に次いで3番目のキャパシティを持つ。

    同劇場は福岡よしもと所属のお笑い芸人が活躍する場で、2018年に吉本興業が開校したタレント養成校「吉本総合芸能学院」(通称・NSC)福岡校出身の若手の成長の場としても期待が寄せられる。

     

     

    7月31日のこけら落としには博多華丸大吉やロバートといった福岡にゆかりある芸人が駆けつけた

     

    時には大阪、東京から吉本興業所属の著名芸人が出演することもある同劇場。新田敦生劇場支配人は「売れっ子芸人に頼っても福岡独自のお笑い文化は作れない。あくまでも主役は福岡の芸人」と強調する。

    そして、「福岡のお客さんに『大阪、東京の芸人より福岡の芸人の方が面白い』と思ってもらえるようにしたい。福岡、九州出身の芸人が劇場を盛り上げることで、地元にファンを作る。そうすれば、NSCにも芸人を志す人が増え、相乗効果でいい人材が入所し、劇場の活気が増す」と語る。

    6月に大阪から赴任した新田支配人は、笑福亭仁鶴さんやダウンタウンさんなどのマネージャーのほか、なんばグランド花月でも8年間支配人を務め、東京・神保町花月(19年12月に閉館)の立ち上げに携わるなど、東西のお笑い文化作りに関わってきた。

    初めて福岡に赴任した新田支配人は「福岡市は東京都と同じく人口が毎年増えており、若者の比率も多く、まちを歩いていても活気を感じている」とうなずく。福岡では幅広い世代の集客を目指す中「20代、30代のお客さんを多く集め、独特な文化を作れると面白いのでは。福岡の勢いにお笑いで乗っかっていきたい」と意気込む。

     

    新田敦生劇場支配人

    福岡の芸人の可能性については「博多弁は耳心地がよく、お笑い向き。文化を作るのに言葉は大切なので、お客さんに支持されるポイントにもなる」と関心を深めているようだ。

    新型コロナウイルス感染拡大の影響で、現在は通常の501席から171席で運営。60分に1回の換気休憩や、演者は楽屋でも全員マスクを着用するなどの感染対策を敷いている。「こんなときだからこそお笑いで元気になりたいと思ってもらえる雰囲気を作りたい」(新田支配人)

    席数も限られ集客が難しい中で、福岡よしもとではオンライン配信を実施している。「オンラインは全国に福岡の芸人を知ってもらえるチャンス。大阪や東京の芸人が出演するときは福岡の若手芸人も入れることで認知度を高められたら」と好機に捉えている。

     

    「BOSS E・ZO FUKUOKA」内にオープンした「よしもと福岡 大和証券/CONNECT劇場」

     

    感染対策として客席は前後左右を空けている

    8月まではこけら落とし期間や夏休みシーズンということもあり、昼帯の公演も実施。9月以降は夕方、夜公演を中心に展開することになるという。

    「芸人が腕を磨くのは、舞台で芸を披露することが一番大切。そして、舞台でお客さんを集めるのは、面白いことをやるのに尽きる。そこはブレずにやっていく」と目を輝かせている。

    (ふくおか経済9月号特集「再開へ動き出した福岡のエンタメ市場」より抜粋)

     

    【編集部・金縄洋右】