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ふくおか経済EX 2017

(株)東武住販


住宅で環境の時代を支える「エコモデル創造企業」

「エコモデル創造企業」として、中古戸建住宅の再販事業で成長を続ける㈱東武住販。14年に株式公開を果たし、昨年にはJRJP博多ビルに福岡支社を開設するなど、ネットワーク拠点を整備し、さらなるシェア拡大を目指している。

中古戸建住宅の再販事業で全国屈指

少子高齢化や核家族化など、時代の流れとともに、暮らし方が変化しており、その影響で空き家となった住居は増加傾向の一途を辿っている。近年はこの空き家に対するリスクが取り沙汰され、周辺環境の悪化や解体などによる行政コストの増大といったさまざまな問題が生じることが指摘されている。㈱東武住販では創業時からこの中古住宅の売買仲介を通して空き家問題に取り組んでおり、不動産売買の仲介事業における豊富な実績をもとに、リフォームのノウハウを蓄積してきた。

そして2009年からは「エコモデルの創造を通して人と環境に優しい暮らしづくりに貢献します」という経営理念のもと、中古住宅を買い取ってリフォームし、再販する事業を主力として展開。中古住宅再販事業の対象は、築30年前後の在来工法建築の戸建て住宅が85%を占めており、中古住宅再生事業では全国第14位ながら、戸建て住宅に限れば全国3位クラスの実績を誇っている。

築30年前後の戸建住宅を主な対象として、現代に適した形にリフォームして住宅を再生する。写真上がリフォーム前

飯塚店オープン、多店舗展開に突き進む

14年5月にはジャスダックと福岡証券取引所Q-Boardに重複上場を果たし、昨年には博多駅に直結するJRJP博多ビルに福岡支社を開設。本拠とする下関と売り上げの核となる福岡を中心としたネットワークを整備し、大型物件も含めた仕入れの拡大とさらなる販売強化につなげていく方針だ。

業績面に関しては6期連続の増収増益を続け、前期は過去最高益も更新した。4月には福岡県内9店目、全体で18店目となる「飯塚店」をオープンし、好調の福岡県北部での販売実績の積み上げを図る。また、今後も大分と佐賀も含めた九州エリアと広島も含めた中国エリアにおいてドミナント戦略を継続し、出店を加速することで今後もさらなる多店舗展開に突き進む。

株式公開と給与水準の引き上げにより優秀な人材を確保

事業の拡大にあわせて課題となっていた人材確保においても、株式公開による信頼性と知名度の向上とともに、1割超アップに及ぶ給与水準の引き上げに踏み切ったことで入社希望者の大幅増加を実現。新卒採用はもちろん、首都圏の大手不動産企業からのUターンによる志望者も増えており、高いスキルを備えた即戦力の採用にもつながっている。

また、主力である中古住宅再販事業に加えて、戸建てやマンションなどの物件オーナーチェンジや、住人が住宅売却後も売却先と契約して住み続けるリースバックについても相談や仲介に着手し、本格的に取り組む。さらに、今後は人事制度の確立に向けて管理部をさらに強化し、東証2部、そして将来的な東証1部への鞍替えも含めた経営体制と組織基盤の整備に努めていく。下関から、福岡、そして全国へとその存在感は増すばかりだ。

荻野利浩 社長
おぎの・としひろ/下関市出身。1953年8月3日生まれの63歳。県立福岡工業高校卒。神奈川県の不動産会社に勤務後、31歳で下関に帰郷。84年9月㈱東武住販を設立し社長に就任。2009年に福岡証券取引所の九州IPO挑戦隊に第1期生として入会し、2014年5月22日、ジャスダックと福岡証券取引所Q-Boardに重複上場を果たした。著書に自叙伝「積小為大~我が人生の回想~」

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社名の由来は荻野社長が関東の不動産企業で武者修行した後に帰郷したことにちなんだもの

【DATA】
所在地 〒750-0014 下関市岬之町11-46
(福岡支社)〒812-0012 福岡市博多区博多駅中央街8-1 JRJP博多ビル9F
TEL 083-222-1111
FAX 083-222-4447
創業 1984年9月
設立 1989年8月
資本金 3億288万円
事業内容 不動産売買・賃貸事業、不動産関連事業、介護福祉事業など
年商 53億7500万円(2016年5月期)
従業員 131人
出先 福岡、山口、佐賀、大分、広島で18店
URL http://www.toubujyuhan.jp/

【採用情報】
募集職種 不動産営業職、事務職
応募資格 高校卒、大学卒
採用実績 2016年2人
採用予定 5人
問合せ先 ホームページ問い合わせフォームより
担  当 原

(ふくおか経済EX 2017より)