FEATURE

ふくおか経済EX 2022

(株)チヨダ


60年の成長支えた顧客基盤が飛躍のアドバンテージに

(写真左)1階にショールームを構える本社
(右上段)刺繍や補正などの加工業務はすべて内製化
(左下)山口剛弘常務(左)と山口進社長

創業60周年を迎えた九州トップの企業ユニフォームディーラーは、これまで積み重ねた顧客基盤や強固なネットワークを礎に、独自の納入サービスを確立することで成長してきた。ニーズや価値観の変化など取り巻く環境が変わる中、今後はオフィス全般のコンサルティング業務にも力を入れ新たな企業価値の創造を目指す。

圧倒的な顧客数と独自の納入システムを強みに

業界屈指の企業ユニフォームディーラーとして、創業から60年間で積み重ねてきた納入先件数は実に1万件を超える。この実績が示すように、長年培った営業力と仕入れ先とのネットワークを生かした豊富な商品ラインナップはチヨダの成長の原動力おとなってきた。
「顧客は当社の財産であると同時に、今後のさらなる取引拡大に向けた通行手形でもある。既存の取引先との良好な関係づくりに力を入れ、これからも価値あるサービスを届けたい」と山口社長。近年はユニフォームの刺繍や補正などの加工業務、さらにクリーニングから期間保管までを自社完結するワンストップサービスの確立で、大口を中心のレンタル需要の開拓が堅調だ。特に受注状況や納品履歴などがシステム化された管理業務は、ニーズに応じたフレキシブル、かつ迅速な納入対応を可能にし、また転売や二次利用を防ぐセキュリティの観点からも高く評価され、最近は管理目的の受託業務も伸長。2021年3月にはこの需要の拡大を見据え、春日市にクローゼットスペースを新たに確保するなど、管理業務の機能強化を図っている。

(写真)春日市のレンタルクローゼット。需要が高まるユニフォーム管理の機能強化を図っている

オフィスの快適環境創造企業へ

近年はデザイン性に加え、抗菌・ウィルス対策、さらに空調服やアシストスーツなど、働く環境に応じた高機能なユニフォームが続々と登場している。しかしその一方で、コロナ禍によるテレワークの普及などで制服を中心とした企業ユニフォーム需要に変化が生じているほか、先行き不透明感の強い世界情勢の動向や、それに伴う国内外の繊維産業への影響が注視されるなど、ユニフォーム業界を取り巻く環境は決して楽観視はできない。
そこで同社ではこの圧倒的な顧客基盤を生かし、オフィス全般のコンサルティング業務に軸足を移す動きも始めている。特にグループで不動産部門を担当する㈱チヨダネットワークは、経営効率化やコスト削減など、様々な観点から既存オフィスを再検証し、必要な事務機器等の手配も含め、社員が仕事しやすい最適なオフィス環境づくりをトータルでコーディネート。オフィスやテナントはもちろん、会社が福利厚生として利用できる賃貸マンションや一軒家の紹介といった不動産仲介業も展開するなど、付加価値の高いサービスを提供している。今後はこれまでのユニフォーム納入事業で培った様々な業種とのアライアンスも駆使しながら、福利厚生や保険なども幅広くサポートしていくことで、まさに相手先企業の「総務の窓口役」を担っていこうとしている。
「オフィスの最適化に向け、顧客の様々な要望や課題解決をトータルでサポートしていく中、ユニフォームはその重要なツールの一つという位置付けになる」。新事業を統括する山口剛弘(たけひろ)常務は、ユニフォーム販売業としてモノだけを売るビジネスから、「オフィスのトータルコーディネート集団」へとビジネススキームを変化させることでさらなる飛躍を誓う。60年間で培ってきたノウハウとネットワークを生かしつつ、これからもたゆまぬチャレンジで最前線を切り拓く同社の動向に注目だ。

 

【DATA】
所在地/〒815-0032福岡市南区塩原2-7-5
TEL/092-562-1221
FAX/092-562-2511
創  業/1961年8月
設  立/1972年10月
資本金/1,000万円https://www.fukuoka-keizai.co.jp/wp/wp-admin/post-new.php?post_type=news
事業内容/企業ユニフォームの卸売、小売、レンタル
年  商/18億5,000円(21年7月期)
従業員/47人
出  先/(支店)北九州、久留米、飯塚、(物流センター)本社別館、北九州、嘉麻、春日
関連会社/㈱チヨダファクトリー、㈱チヨダネットワーク
URL/http://www.chiyoda-jp.com/

(ふくおか経済EX2022年)