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ふくおか経済EX 2017

(株)ふくや


「味の明太子」を軸に個性あふれる関連商品が続々と

誕生から約70年。今や博多を代表する味としておなじみの「辛子明太子」。創業メーカーの㈱ふくやは、主力の「味の明太子」に加え、缶入り明太子やツナ缶、チューブ入り粒明太子など個性あふれる関連商品を積極的に開発。5代目となる川原武浩社長の下、新たな歴史がスタートした。

自家用や土産中心への転換を大きなテーマに

博多を代表する味として地元・福岡のみならず全国で親しまれている「辛子明太子」が生まれて約70年。その創業メーカーである㈱ふくやでこの春、新たなページがスタートした。創業者であり、明太子の生みの親として知られる故川原俊夫氏の孫である川原武浩氏が、4月1日付で5代目の社長に就任。「創業者の理念や商品への想いを次の世代に伝えていくとともに、新たな取り組みや改革を積極的に推進していく」という武浩社長は、明太子は贈答から、自家用や土産中心への転換を大きなテーマと位置づける。そして「美味しい商品を低価格で、より安全にお客さまの下に」というふくやの理念は、次々と開発される明太子関連の新商品や卸売りブランドの立ち上げなどに反映されてきた。

昨年3月、これまでの常識を覆す新たな辛子明太子「缶明太子 油漬け」が誕生した。定番である味の明太子の粒を使用し、上質な綿実油を加え缶の中に明太子の旨みをとじ込めたことで、賞味期間が常温2年間に。気軽な土産好適品の新アイテムとして新たな需要を掘り起こす。

明太子風味のオリジナルのツナ缶「めんツナかんかん」も絶好調だ。発売から2年足らずで累計販売数は250万缶を突破するなど主力商品へと成長した。レギュラー味の「プレーン」、刺激的な辛さの「辛口かんかん」、1缶の約20%が明太子の粒で、上質な綿実油を使った贅沢な「プレミアムかんかん」の3つの味が揃う。また、地元・福岡のプロサッカーチーム「アビスパ福岡」の応援ラベルや韓国の人気グループ「BIGBANG」のロゴをデザインしたラベルなどを限定発売し、若い世代の取り込みにも貢献している。

手軽に使える簡単便利な「tubu tube(ツブチューブ)」は現在10種類のバリエーションを展開

個性あふれる商品群へ美味しさのDNAが脈々と

「めんツナかんかん」とともにヒットしたのがチューブ入りの粒タイプの明太子「tubu tube(ツブチューブ)」。創業者・俊夫氏の生誕100年を記念した新商品プロジェクトとして2013年に発売を開始した。食べた瞬間、口の中にオリーブバジルやゴマ油などの新鮮な風味がはじけるのが魅力。ワンタッチで開けられるチューブ入りで使いやすく、料理のバリエーションが広がる逸品だ。発売以来、スパイシーハバネロやスパイシーブラックペッパー、和風だし、バターなどが増え、10種類のバリエーションが楽しめる。

このほか、日本五大醤油産地の一つである小豆島産の醤油を使い、明太子の皮を甘辛く炊き上げた佃煮「醬明太」。皮に明太子の調味液がしっかりと染みているため、噛むほどに旨みとピリっとした辛さが口の中に広がる。皮はやわらかくジューシーで、他にはない食感も魅力だ。

1949(昭和24)年1月10日、博多の街で親しまれている「十日恵比須」の日、博多・中洲市場の一角の小さな食料品店ふくやから世に送り出された「辛子明太子」。約70年を経た今日、その美味しさのDNAは、新しい時代の個性あふれる商品群へ脈々と受け継がれていく。

川原武浩 社長
かわはら・たけひろ/福岡市出身、1971年11月7日生まれの45歳。修猷館高校〜国学院大学法学部卒。㈱博多座勤務の後、2004年4月に㈱ふくや入社。㈱福岡サンパレス社長、㈱ふくや取締役統括部長などを経て15年4月に副社長。この4月社長に就任。㈱福岡サンパレス会長、㈱アビスパ福岡非常勤取締役も兼務。趣味はサッカー観戦、演劇

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福岡名産「辛子明太子」の創業メーカー。積極的な新商品開発で新たな需要掘り起こしを目指す

【DATA】
所在地 〒810-8629 福岡市博多区中洲2-6-10
TEL 092-291-3575
FAX 092-291-2460
創業 1948年10月
設立 1980年8月
資本金 3,000万円(グループ5億5,200万円)
事業内容 辛子明太子の製造・販売、食品の卸売・小売
年商 149億733万円(2016年3月期)
従業員 597人(正社員260人/2017年3月現在)
URL http://www. fukuya.com

【採用情報】
募集職種 総合職
応募資格 2017年 大学院、大学、短大、専門学校卒
採用実績 2015年6人、2016年4人、
2017年6人
採用予定 新卒5人前後
問合せ先 TEL.092-291-3577
担  当 山中、中山

(ふくおか経済EX 2017より)