FEATURE

ふくおか経済EX 2009

(医)聖峰会 田主丸中央病院


“地域のために地域とともに”を理念に医療、介護の包括医療提供

豊かな自然に囲まれた田主丸中央病院

 今年9月、創立55周年を迎える(医)聖峰会田主丸中央病院(鬼塚俊一理事長)。豊かな自然に囲まれた同院は、総敷地面積26,797㎡内に外来診療棟、北棟、中央棟、南棟の4棟から構成される。診療科は、内科、循環器科、呼吸器科、消化器科、外科、整形外科、脳神経外科、放射線科、精神科、リハビリテーション科を中心とした20診療科で、一般病床199床、回復期リハビリテーション病床51床、精神病床110床、計360床の許可病床を持ち、旧浮羽郡、日田市、東久留米地区の地域中核病院としての機能を果たしている。 また、附属施設に老人保健施設やデイケアセンター、健康科学センター、訪問看護・介護ステーションおよびグループホームを持つほか、関連施設として特別養護老人ホーム、デイサービスセンターを運営している。
同法人を牽引する鬼塚俊一理事長は「“地域のために 地域とともに”という理念のもと、健康増進、
医療、介護の分野を含む包括した医療を提供したい」と力強く語る。確実に成長を遂げながらも、チャレンジし続ける同院の取り組み、そして現場で働くスタッフの声を紹介する。

浮羽消防署と提携し、定期的に救命訓練を実施

4月から院内体制整え、迅速化へ

「4月から医療と介護の窓口を一元化し、患者様の要望に迅速に対応できる体制を整える」と語るのは、中野厚子地域医療サービスセンター長。同センターでは、救急搬送の受け入れや入院相談、入退院の手配といった業務をはじめ、同病院の理念である「“地域のために 地域とともに”」を具現化するべく、浮羽消防署と提携した救命訓練や健康教室のほか、地域医療連携の取り組みとして、地元開業医や近隣の医療機関と同院医師の定期懇親会を開催している。
「地域との関わりも強みの一つであるが、画像診断レポートは鬼塚英雄院長と放射線科医師が全症例を確認する『読影Wチェック』を約30年実施しており、信頼性の高い診断で、他院からも好評だ」と鬼塚俊一理事長。2008年には、この点が評価され、これまで、全世界で50000人、日本で約3000人を名医と認定している「ベストドクターズ」に鬼塚英雄院長が選出された。
同賞受賞を追い風とし、今後も独自性を打ち出しながら、他院と連携した治療の提供に注力する。

「グローバル化見据え…」インドネシア人看護師受入開始

「患者さんから声をかけられることも多く、明るい笑顔で応えている。外科病棟で看護助手として勤務しながら、日本の看護師免許の取得を目指し、国家試験や日本語の勉強に日々、意欲的に取り組んでいる」と語るのは、久冨瑞穂看護部長。
2月から、日本とインドネシアの経済連携協定で来日したインドネシア人看護師候補者の受け入れを開始し、ジャワ島出身のフタペア・アシアナさんとレフィアナ・エファさんが来日した。両者とも母国の看護師免許を持ち、実務経験もあるという。
患者さんに正面から向き合い、丁寧に言葉を交わしながら対応する姿に「意欲の高い2人と共に働くことで、当病院スタッフの刺激になれば」と期待を込める鬼塚俊一理事長。11月には、フィリピンからの受け入れも予定している。

明るい笑顔で実習する(左)レフィアナ・エファさん、(右)フタペア・アシアナさんと(中)久冨瑞穂看護部長

病院と連携し治療後も“あたたかく”サポート

同病院の向かいに位置する介護老人保健施設「サンライフ聖峰」。入口を開けると、開放感ある高い天井、ピンクを基調とした清潔感ある室内が目に飛び込むと同時に「こんにちは」と優しく落ち着いた笑顔でスタッフに迎えられた。
「病院が目の前にあるという特徴上、救急時に迅速に対応でき、利用者やご家族の方に安心感を提供できることが強み。そして、何よりの強みはスタッフの力。離職などの問題が挙がるこの業界の中でも当スタッフの定着率は高い」と語るのは、木村知子在宅事業課課長。
同施設の開設時から現在も利用者と向き合う、狭場美恵子主任は「利用者の方の現在の状況のみを見るのでなく、その方が歩まれてきた人生を見ることで、掛けられる一言、行動を大切にして仕事をしている。それは利用者の方に気付かされたこと」と笑顔を見せる。
夕刻時、デイケアセンターの送迎バスの中で、ペットボトルに温かいお湯を入れた手作りのカイロが利用者一人ひとりに渡されていた。「病院で治療した患者さんのその後の生活支援、訓練となる場所を提供したい」と進出した介護分野への道。
開設当初の思いは今もなお、スタッフを介し、利用者に届けられている。

季節に応じたイベントで利用者とスタッフの交流を図る

創立者の志受け継ぎさらなる発展へ

インタビューの終わりに鬼塚俊一理事長は「創立者であり、父である故鬼塚利雄が言っていた『考えることは皆同じ、行動するかしないかが重要だ』という言葉が今もなお残っている。この言葉を胸に、これからもさまざまなことに取り組み、(医)聖峰会を向上していきたい」と力強く語った。55年間の歴史とともに、より一層発展していく同法人の動きが今後も見逃せない。

鬼塚 俊一 理事長
久留米市田主丸町出身。1939年9月1日生まれの69歳。久留米大学卒。現在、(社)福岡県私設病院協会の会長を務めている。趣味はゴルフ

 

企業DATA
【所在地】〒839‐1213福岡県久留米市田主丸町益生田892
【TEL】0943‐72‐1621
【FAX】0943‐72‐3293
【創立】1954年9月
【理事長】鬼塚俊一
【職員数】801人(関連法人を含めると915人)
【診療科目】内科、循環器科、呼吸器科、消化器科、外科、整形外科、リウマチ科、脳神経外科、放射線科、精神科、神経科、心療内科、眼科、皮膚科、泌尿器科、肛門科、婦人科、歯科・歯科口腔外科、リハビリテーション科
【許可病床数】一般病床:199床(中二階病棟52床、中三階病棟40床、南三階病棟54床、※亜急性期病床19床、障害者施設等一般病棟53床)、療養病床:51床(回復期リハビリテーション病棟51床)、精神病床:110床(北二階病棟60床、北三階病棟50床)合計:360床
【関連施設】介護老人保健施設サンライフ聖峰、デイケアセンターひまわり、パワーデイケアセンター燦ふらわー、田主丸訪問看護ステーション、ひまわりホームヘルパーステーション、小規模多機能型居宅介護ひまわりの郷(吉井・田主丸・うきは)、さくらデイサービス(うきは・日田)、健康科学センターサンヘルス聖峰、聖峰会マリン病院、特別養護老人ホームひじり園、グループホームなど
【URL】http://www.seihoukai.or.jp

(ふくおか経済EX2009年)