FEATURE

ふくおか経済EX 2019

(一財)九州電気保安協会


電気保安のトップランナーとして信頼される協会へ

九州全域を対象に電気工作物の保安管理や大規模施設における試験・精密点検、一般家庭の屋内配線調査など、電気関連業務を幅広く手掛ける九州電気保安協会。2017年に完成を迎えた新社屋には災害対策本部の機能を持たせるなど、「総合的な電気のコンシェルジュ」として一層の課題解決に取り組む。

地域に根ざした電気技術のプロ集団

1966年の設立以来、九州全域を対象に電気工作物の保安管理や大規模施設における試験・精密点検、一般家庭の屋内配線調査に取り組む一般財団法人九州電気保安協会。福岡市博多区東比恵の本部をはじめ、九州各地に8支部・50事業所・18出張所を置き、九州全域をカバーするネットワークを強みに365日24時間体制で日々の顧客対応に努めている。
所属する1,300人の職員のうち約半数が電気主任技術者として活躍する同協会では、大規模施設の点検などにも対応できる技術者も多数在籍。九州における保安管理業務シェアは全体約8万件のうち約半数を占めるなど、九州トップクラスの電気技術のプロ集団として不動の地位を築いてきた。

太陽光発電の安全性・生産性向上に貢献

「電気エネルギー利用技術の向上を通して、地域とともに社会の発展に貢献」を基本理念に多様なサービスを提供する同協会では、太陽光発電の普及が進む九州圏での安定的なシステム運用の一翼も担う。出力制御の対応をはじめ、最新測定器を用いた点検や遠隔監視・発電電力量監視業務など幅広く手掛け、今年度は配電線事故時の遠隔復旧システム(※)の運用やドローンによるパネル診断を開始するなど、太陽光発電分野でのサービス拡大に力を入れている。(※遠隔操作時は電力会社への連絡が必須)

次なる50年に向けIoT・AI活用に挑戦

2017年10月には、かねてより設立50周年記念事業として建設していた新社屋「QDHビル」が完成を迎えた。従来の3倍の広さとなった新社屋は、業務処理の集中化や充実した付加価値サービスの提供のほか、大規模災害時の対応機能を担う重要拠点として位置付けている。また、同年には新たな開発部門として「技術開発研修部」を設立。IoTを活用した設備劣化予兆検出や点検効率化など、さらなる付加価値創出に向け動き出している。
このように新たなサービスの開発にも意欲的に取り組む一方で、既存サービスの品質向上にも力を入れる同協会。その一例として挙げられるのが、電気使用量のモニタリングにより電気の見える化を実現した「ECOねっとシステム」だ。季節や時間帯ごとに最適な省エネ対策に取り組むことができる上、コスト削減にもつながるとして好評を得ており、既に約8,900台が導入されている。今後はユーザーの使用目的に合わせたラインナップの拡充を計画しているという。

顧客満足度向上目指しさらなる品質向上へ

「総合的な電気のコンシェルジュ」を目指す同協会では、さらなる顧客満足度の向上を図り、本部におけるカスタマー専用コールセンターの設置を進めている。開設によりユーザーからの多様な要望にも柔軟に対応できるようになることから、従来の顧客対応を刷新する仕組みとして期待されている。そのほかに絶縁(漏電)監視や電力使用量監視、遠隔監視技術の導入など最先端の技術を駆使することで、協会全体のサービスレベルの底上げを図ろうとしている。
「設立以来、50年にわたりお客様から厚い信頼を獲得してきた。その背景には職員の真面目な働きぶりへの評価がある。今後はそこからさらに一歩踏み出し、かゆいところにも手が届く“電気のコンシェルジュ”としてサービスの拡充を図りたい」と語る大島理事長。次なる50年に向けて、いま着実に歩みを進めている。

大島 洋 理事長
おおしま・ひろし/長崎県出身。1951年9月27日生まれの67歳。九州大学工学部卒。趣味はクラシック音楽鑑賞

 

【DATA】
所在地/〒812-0007 福岡市博多区東比恵3-19-26 QDHビル4~8階
T E L/092-431-6701(代表)
F A X/092-431-6717
設 立/1966年1月
事業内容/ 自家用電気工作物の保安管理業務 他
職員数/1327人
U R L/https://www.kyushu-qdh.jp/

採用情報
募集職種/技術職 ・事務職(技術職は第2種電気工事士以上)
応募資格/大学、高校、専門学校卒
採用実績/2019年度 定期37人、期中38人(技術職71人、事務職4人)
採用予定/定期34人、期中35人(技術職65人、事務職4人)
問合せ先/092-431-6708(直通)
担当/人事グループ 有吉

(ふくおか経済EX2019年)