FEATURE

TheFace2011

社会医療法人 栄光会 栄光病院


下稲葉 康之

社会医療法人 栄光会 栄光病院 理事長・ホスピス主監

しもいなば・やすゆき/鹿児島市出身、1938年11月12日生まれの72歳。九州大学医学部卒業後、64年4月に九大医学部第2内科入局。ドイツ・ボン大学留学を経て、67年10月、香住丘キリスト福音教会を創設。80年10月に亀山病院(現栄光病院)勤務となり、ホスピスを担当。86年4月に副院長・ホスピス長、05年11月院長を経て、08年1月に理事長就任、同年2月よりホスピス主監兼任。現在、NPO法人日本ホスピス緩和ケア協会九州支部代表、日本死の臨床研究会九州支部役員、九州大学・久留米大学非常勤講師を務める

「栄光ホスピスの心」とチームケアで地域完結医療を実践

1986年4月、キリスト教主義の病院「福岡亀山栄光病院」を開業して以来、全人的医療に基づく診療活動と最新設備を伴った医療サービス、病診連携を重視した組織体制で「地域に密着した病院」を運営してきた社会医療法人栄光会(福岡県糟屋郡志免町)の下稲葉康之理事長。
90年9月には、栄光病院が西日本地区で初めて(全国で5番目)となる緩和ケア病棟の認可を取得。「いのちの質の向上をめざす全人的ケア」を基本理念に、医者とスタッフ、患者とその家族間において、「ホスピス(あたたかいもてなし)の心」を持った心と心の絆、親密なコミュニケーションで支えることの大切さを実践してきた。「ホスピスに従事して30年、関わった患者さんは6千名を超えた。これまでの貴重な出会いを宝に、患者さんとご家族、私たち双方が“癒し癒される”関係をこれからも築き上げていきたい」と下稲葉理事長は笑顔を見せる。
今年4月、社会医療法人栄光会・医療介護施設「かめやま」内に高齢者専用賃貸住宅「安息」がオープン。7月には「かめやま」1階フロアをリニューアルし、通所リハビリテーションを拡充するとともに、地域住民参加型の「栄光すこやか大学」を開設。10月には栄光病院隣接地に「ホスピス緩和ケア病棟・健診センター」を起工、来年5月オープンを予定するなど医療施設の充実に積極的だ。「新病棟が完成すれば、50床から71床と国内最大規模のホスピス病棟となる。来春までに医師、看護師、ホスピスナースなど25人程度を採用していく」と意気込みを見せる。
「栄光ホスピスの心」と多職種スタッフによる「チームケア」で地域完結型の医療を展開する栄光会グループ。下稲葉理事長の眼は常に全人医療の本質を見定めている。

DATA
所在地/〒811-2232福岡県糟屋郡志免町別府西3-8-15
TEL/092‐935‐0147
※ホスピスナース募集お問い合せは、事務局長・藤江まで(2012年1月〜4月の間で勤務開始可能、内科病棟3年以上の勤務経験を有する方)
開業/1986年4月
職員数/405人
事業内容/外来診療および救急医療、在宅医療・訪問介護、健診事業、終末期医療(ホスピスケア)など
診療科目/内科、外科、循環器科、呼吸器科、整形外科、消化器科、神経内科、心療内科、泌尿器科、肛門科、リハビリテーション科
許可病床数/178床(緩和ケア50床、内科・外科58床、神経難病センター32床、回復期リハビリテーション38床)
栄光会グループ/栄光病院、亀山クリニック、栄光会クリニック博多の森、介護付有料老人ホームかめやま、介護老人保健施設グロリア、医療・介護支援住宅「安息」

http://www.eikoh.or.jp

(ふくおか経済2011年11月号FACE)