FEATURE

TheFace2009

御笠環境サービス


吉嗣 雅一

㈲御笠環境サービス 会長

よしつぐ・まさかず/福岡市出身、1967年10月生まれの42歳。福岡経理専門学校卒。1991年11月に社長就任し、08年から会長に就任。趣味はアウトドア、釣り
(写真)前列左から中山順哉常務、吉嗣会長、清水英二専務。後列左から4人目が吉嗣美佳社長

経済と環境を調和する「マスバランス」を推進

「現在、私たちを取り巻く環境が大きく変わりつつある。いや、もうすでに大きく変わったのかもしれない」—。吉嗣会長が懸念するのは、地球温暖化や異常気象、食糧自給率の低下、エネルギー問題、資源枯渇など、「経済至上主義」の後遺症から生まれた一連の問題が表面化してきたことによる将来への不安、危機感だという。
廃棄物抑制や循環資源の有効活用、廃棄物の適正処理、環境負荷低減を実現するための「循環型社会」を目指すのは当然だが、「今までのような大量生産、大量消費、大量廃棄といった社会経済システムの中において、いくら環境に優しい製品やサービスを展開しても、それでは結果として環境への負荷は変わらないのが実情」と吉嗣会長は環境事業普及・推進の難しさを指摘する。経済発展と環境問題については現在も密接な関係にあり、「価値感の違いによっては、環境への負荷が“経済活動の持続”を阻害することも考えられる」と説明する。
特に吉嗣会長が重要視するのは、事業活動のエネルギー物量収支を示す「マスバランス」の概念。環境への負荷を「ライフサイクルアセスメント(LCA)」で評価し、経済と環境の調和のとれたマスバランスをベースに生産・消費・リサイクルを実行することが、今後不可欠となる。同社では昨年9月から食品リサイクル事業の一環として「エコフィード事業」を積極的に展開。その研究成果と納品実績は県内外から高い評価を得ている。「エネルギーの効率化と必要最小生産という手法が、最も原始的で最も新しい社会経済システム」と話す吉嗣会長。その目は、「未来」につながる「今」を見据えている。

DATA
所在地/〒816-0921 大野城市仲畑1-14-25
TEL/092-575-2789
E-mail/mikasa-es@mx7.tiki.ne.jp
創業/1960年4月
設立/1988年3月
資本金/500万円
従業員/15人
事業内容/一般・産業廃棄物収集運搬業務、資源物回収、各種環境機器の販売、食品リサイクル・エコフィード(飼料の製造販売)事業、超安定化二酸化塩素溶存液およびゲル化剤販売

http://ww7.tiki.ne.jp/~mikasa-es/

(ふくおか経済2009年11月号FACE)