FEATURE

TheFace2009

味の兵四郎


野見山 正煇

㈲味の兵四郎 社長

のみやま・まさあき/嘉穂郡庄内町出身、1951年10月9日生まれの58歳。立教大学経済学部卒。趣味は旅行、飲み食い、読書

“あごだし”を博多の名産品へ

博多の正月には欠かせない“あごだし”—あごが落ちるほど旨いことから由来したという説もあり、独特の旨味と味わいを持つ。
この“あごだし”を「あご入兵四郎だし」として全国、そして世界へと広めているのが今年で創業21年目を迎えた㈲味の兵四郎だ。平戸沖の旬のあご、そして北海道産の昆布や九州産の椎茸などの風味原料はすべて国内産にこだわっている。現在、国内の百貨店や通信販売などのほか海外(シンガポール、香港)でも商品を展開。過去10年間、前年比20〜30%増で売り上げを伸ばしてきた。「シェアでみればトップブランド、しかしまだ知名度が足りないと感じる。今後は“あご入兵四郎だし”の認知度向上に力を入れていきたい」と力を込める野見山社長。
同社の成長の大きな要因の1つにはそのフラットな組織体制が挙げられる。野見山社長は「方向性は打ち出すが、後は社員に任せる。それぞれがやりたいように、そしてやりやすいようにすることを重視している」と説明する。また、社員に積極的に独立を勧めていることもポイントだ。独立を意識することで、仕事に対する姿勢に変化が生まれ、お互いの切磋琢磨による相乗効果で力がつくという。
消費が低迷する中、同社の売り上げは堅調な伸びを維持。価格競争よりも品質重視を意識している。今後は、取り扱い百貨店のさらなる新規開拓、国内はもちろん海外も含めた納品先の拡大を進めていく。博多が生んだ名物“あごだし”は同社によって世界の台所に広がっていく。

DATA
所在地/〒818-0035 筑紫野市美しが丘北3-1-3
TEL/092-926-2958
創業/1989年
設立/1993年5月
資本金/500万円
事業内容/食品小売、卸売業
従業員/56人
売上高/15億8000万円

http://www.ajino-hyoshiro.co.jp

(ふくおか経済2009年11月号FACE)