FEATURE

ふくおか経済EX 2009

㈱玉屋


55年の歴史が刻んだ理念の継承で新たな飛躍を

(写真-左)大相撲九州場所期間中は、武蔵川部屋に宗像市の玉屋研修所を宿舎として提供。11月3日には隣接する「トリアーダ宗像」で力士とのふれあいイベントが開催され、毎年多くの宗像市民でにぎわう
(写真-右)同じくトリアーダ宗像にある「塚原体操館」(塚原光男館長)では、昨年の北京五輪終了後、同五輪女子体操で団体5位に入賞した日本チームが来館。入賞報告とサイン会が行われた

地域との共生で築き上げた存在意義

業界屈指の老舗企業として、また県内を代表するレジャーサービス企業として成長を遂げる㈱玉屋は、昨年8月に創業55周年という節目を迎えた。福岡都市圏を中心にパチンコホール「TAMAYA」を14店舗展開する同社は、創業以来、「地域との共存共栄」、そして「地域密着型の営業戦略」を企業理念に、地域とともに歩み続ける業界のモデルカンパニーとして高い存在意義を発揮。その代表例として、1995年に宗像市に開業したパチンコ店を中核とした複合施設「トリアーダ宗像」では、フリーマーケットやサマーフェスタなど、年間を通じて開催される数々のイベントを通じて、地域の活性化と新たな街づくりの形成に大きく貢献。その功績は内外から高い支持を得ている。
同社では、このほかにも九州初の本格的な体操教室「塚原体操館」(トリアーダ宗像内)の誘致をはじめとする青少年育成を目的としたスポーツ振興への協力や、大相撲九州場所期間中における武蔵川部屋力士への宿舎提供、さらに高校生のための日本の次世代リーダー養成塾などへの支援活動を積極的に展開している点も、同社が社会的評価を高めている要因の1つと言えよう。

常にパチンコ業界の先駆者として

加えてパチンコホールの健全化と近代化に早くから取り組み、身近で手軽な「大衆娯楽」としての地位確立にも尽力してきた同社。今では業界のスタンダードとなりつつある、低投資機種で構成した遊パチコーナー「玉工房」の開設やパチンコの遊び方を説明する専属スタッフの配置などは、他社に先駆けて導入しており、昨今の業界の課題だったライトユーザーの呼び戻しと新規ユーザーの獲得、そして後にこれらのサービスが業界全体で普及していく大きなきっかけをつくっている。
一方、社内改革においては、近年、同族経営から組織経営への移行、並びに次世代を担う後継人材の育成を主眼に、業界でも珍しい社員持株制度や執行役員制度を導入。従業員の自立・自発性を引き出す社内環境を整備することで、「TAMAYAイズム」の浸透と経営参加意識の高揚を図っている。またこれによって、「トップダウン型」経営ではなく、従業員一人ひとりの主体的な意見を生かす「ボトムアップ型」経営をより実践的に進めることにもつながり、すでに若手社員主体に構成された小委員会の主導で、現場からの意見を店舗のイベントやサービス、各種ボランティア活動といった様々な施策に反映させた実績も多い。

玉屋グループ、そして地域のランドマークとなっている「玉屋本店」(福岡市中央区春吉3丁目)

ホールスタッフの100人超がサービスマイスター取得

昨年には、ホールの接客レベル向上を目指し発足した「一般社団法人パチンコホールサービスマイスター協会」(福岡市)が認定する「サービスマイスター制度」において、同社の101人のホールスタッフがシングルスターを取得した。さらに2月19日に開催された接客技術を競う「第1回接客ロールプレイング大会」では、九州から120人の有資格者がエントリーする中、実に入賞者4人のうち2人が同社スタッフから選出されるという快挙を達成。いかに同社が日頃から高いレベルの接客サービス、またそれを裏付ける充実した社員教育を実践しているかということを、業界内に広く印象付ける結果となった。

今年2月に開催された「第1回接客ロールプレイング大会」で見事な接客を披露する玉屋本店スタッフの友永寛之さん(左)。見事特別賞を受賞した

100周年企業へ向け着々と進む「志の継承」

「『最大』より、『最良』、また『My company』から『Our company』へ」—。これは岩見吉朗社長が掲げる将来の企業像である。同社では今まさに、この実現に向けた基盤づくりが進行中で、今後も同社がさらにシェアを伸ばし、存在感を増していくためにも、これまでの長い歴史で培った玉屋の理念や、これから進むべき方向性を次世代が受け継ぐ、いわゆる「志の継承」をより鮮明に打ち出し、100周年企業へ向けた新たな歴史を刻み続ける。

岩見 吉朗 社長
飯塚市出身、1946年12月27日生まれの62歳、立教大学経済学部卒、趣味はゴルフ、サッカー。90年社団法人日本遊技機関連事業協会(日遊協)九州支部の設立と同時に役員に就任、業界の地位向上と健全化・近代化に取り組む。00年に同協会九州支部長を歴任後、02〜06年まで同協会副会長、07年から相談役を務める

 

企業DATA
【所在地】〒810-0003福岡市中央区春吉3-12-1
【TEL】092-718-3330
【FAX】092-718-3331
【創業】1953年8月
【設立】1991年2月
【資本金】3,000万円
【事業内容】パチンコ店の経営
【年商】500億円(08年12月期)
【代表者】岩見吉朗(いわみ・きちろう)
【従業員】500人
【店舗】(福岡地区)本店、宗像店、室見店、新宮店、サン玉屋、空港店、 太宰府店、屋形原店、野方店、中尾店(飯塚地区)飯塚本町店、 上三緒店、稲築店(佐賀地区)みやき店
【URL】http://www.tamaya.gr.jp

採用情報
㈱玉屋では、将来の店舗展開に向けた優秀な人材を確保するため、2001年度から定期採用を開始。07年4月には社員教育専用部署として総務部内に「研修課」を新設するなど、研修体制のさらなる充実で組織の強化を図っている
●募集職種:店舗運営スタッフ(幹部候補生)
●応募資格:大学卒業見込者、大学既卒者(卒業後5年以内)
●採用実績:08年度30人、09年度20人
●採用予定:10年度20人
●受付期間:随時
●問い合わせ先:TEL0120-555-692(専用ダイヤル)
●採用専用アドレス:soumu@tamaya.gr.jp
●担  当:総務部 岩崎
※詳しい募集要項はホームページに掲載中 http://www.tamaya.gr.jp/recruit.html

(ふくおか経済EX2009年)