FEATURE

ふくおか経済EX 2010

㈱日本公文教育研究会福岡事務局


一組の親子からはじまり
今、この瞬間も地球のどこかで

世界に繋がるネットワーク生かし地域教育に貢献

高校教師・公文公の愛するわが子の力を伸ばしたいという思いから始まった日本公文教育研究会。0歳児から高齢者まですべての世代に対応した学習教室を世界46カ国、生徒数423万人(2010年1月時)に提供している。数学(算数)、英語、国語の3教科に特化し「個別学習」、「自学自習」という一人ひとりに合わせた学習スタイルで、受身ではなく自分から学ぶ習慣の確立を目指す公文式学習。親と子とトライアングルの関係で、自分で物事を解決する“人間力”のある人材育成に半世紀に渡り取り組んでいる。「公文式の基盤は家庭教育。親と子に寄り添い、自立学習のできる人材を育てることを目的としている」と福岡事務局の石井勝志局長は話す。
福岡県には福岡、久留米、北九州の3つの拠点を持つ同研究会。福岡事務局は福岡都市圏を中心に、生徒数2万5820人、教室数330(2010年2月時)を展開する。同事務局では創始者生誕100周年を迎える2014年に向けて教室数350、生徒数3万5000人(1教室あたり100教科体制)を目指して事業強化に取り組んでいる。

子育て全般をサポートする「こそだてちえぶくろ」

目標達成へ向け事務局が掲げているのは幼児教育と英語教育の強化。幼児教育では、「こそだてちえぶくろ」に研究会全体で取り組んでいる。これは0〜3歳の乳幼児を持つ親子を対象に公文教室で歌や本の読み聞かせを実践してもらうものだ。参加者の声を聞くと「子育てに悩みを持つ地域の母親同士の交流の場となっている」(篠栗地区)、「娘から、お母さんの声を聞くと気持ちがいいと言われ嬉しかった」(名島地区)など地域の評判も上々だ。さらに、筑紫野の映画館では親子を対象とした読み聞かせイベントに協賛するなど、企業や団体とのタイアップ活動にも取り組み“言葉で育む親子のきずなづくりを通して子どもの可能性を無限に広げてほしい”というメッセージを発信し続けている。

福岡地区をサポートする事務局のスタッフ

10月、英語学習に「E-Pencil(イー・ペンシル)」を導入

「福岡は英語教育への意識が他の地区と比べても高い」と石井局長が話すように、アジアへのゲートウェイと呼ばれるほど海外とアクセスが良い福岡では、今後英語教育の重要性が増加していくと考えられる。「英語ができるかできないかで職業選択の幅が変わる時代。2011年からは小学校への英語教育の導入も決まりグローバル化は加速しているので、早期英語教育の大切さは周知の事実」とその必要性を訴える事務局では、10月から英語学習の効率を高めた新型音声機器「E-Pencil(イー・ペンシル)」を導入。これはマジックのようなペン型の新機器で、プリントに印刷された音声マークを先端のカメラが読み取り音声を再生できるもの。シンプルな学習方法で音・意味(イラスト)・文字の結びつきを強化し英語力の定着化を図る。

人を育て、地域の架け橋に

公文の大きな特徴は、親や指導者を巻き込んで子育てに参加することで、子どもだけでなく大人も成長できることだ。
実際、福岡地区の指導者にやりがいを聞くと自分自身の変化を挙げる人が多い。「PTAなど学校教育にも積極的に関わるようになった。“教える先生”と“育てる親”の悩み、双方を経験することで人間の幅が広がった」(篠栗地区指導者)「初めて教室に来たときは机に向かわせることから始めた子が、今では立派な大人になって世界で活躍している。地域との繋がりは人生の宝」(飯塚地区指導者)など、育てる楽しさとともに子どもの可能性を追求する楽しさ、そして自分自身の変化を実感したという声が多い。「多くの人に“やっててよかった公文式”と同時に“やっててよかった公文の先生”を実感してもらい、教育を通して地域ネットワークの活性化に貢献できれば」と話す石井局長の言葉には、地域に根ざした活動を展開する公文の思いが込められている。
九州を引っ張る福岡で、日本そして世界を創っていく子ども達を育ててきた福岡事務局。石井局長は「子どもはもちろん、生き抜く力をつけないといけないけど、環境をつくる大人がもっとたくましく、学び高めないといけない。その姿を見せるとともに、時には立ち止まって子どもと向き合い我が子に何を残すのかを考えて欲しい」と訴える。“世界中で蓄積した公文のノウハウを家庭と地域に還元し、親と子、そして人と地域を繋ぐ架け橋となっていきたい” 教育を通して地域の絆を創る日本公文教育研究会。福岡事務局の描く未来図に注目したい。

福岡事務局のある博多駅前の日本生命博多駅前ビル

 

企業DATA
所在地 〒812-0011 福岡市博多区博多駅前3-2-1 日本生命博多駅前ビル10F
TEL 092-441-7122
FAX 092-415-1711
事業内容 公文式教室開設・開設後のサポート
代表者 石井勝志
従業員 23人

【公文教育研究会】
創業 1958年7月
設立 1962年8月
資本金 44億1800万円
年商 752億2900万円
URL http://www.kumon.ne.jp

採用情報
募集職種 公文式指導者の募集
応募資格 子どもが好きで、向上心がある方
採用実績 280人
採用予定 50人
問合せ先 TEL.0120-372-100
担当 石井、安川、川﨑

(ふくおか経済EX2010年)