FEATURE

ふくおか経済EX 2009

㈱一蘭


激変する社会で不変の
“こだわり”を貫く天然とんこつラーメン専門店

08年9月、福岡の中心である天神に程近い那の川に、どこか懐かしさを感じさせる建物が現れた。木目調で統一された外観に、赤いちょうちん、そして、屋台…博多を代表する天然とんこつラーメン専門店として、全国にその名を轟かしている「一蘭」の創業店をリニューアルした「発祥の店 那の川日赤通り店」だ。
多くの車と人が行きかうこの通りから同社の歴史は幕を開けた。その”味”と”味わうこと”へのこだわりは、創業以来ぶれることも揺らぐこともない。一切の妥協を許さず、1杯のラーメンに情熱のすべてを捧げる姿勢は他に類を見ず、これこそが博多ナンバーワンとして国内外から多くの支持を集める所以と言えるだろう。

”安全・安心・健康”を追求した至極の逸品

不変のこだわりを持ち続けるとともに、決して歩みを止めることなく進化も遂げていく同社。その象徴とも言えるのが、「安全・安心・健康」を徹底追求した結果に誕生した天然とんこつラーメンだ。40人以上の職人が“味”に対する飽くなき努力を重ねることで、日々進化を続ける天然とんこつラーメン。職人が片時も離れることなく作り上げるスープは全くクセのない味わいを実現した。そのスープに特別な小麦粉を独自にブレンドした“自家製生麺”が絡み合うことで極上の喉ごしが味わえる。さらに、同社ラーメンの「シンボル」とも言える“秘伝のたれ”は、唐辛子をもとに30種類以上の材料を調合、何昼夜も寝かせることで独特の辛味と旨味を両立させ、より深みのある美味しさへと導いていく。味に絶対の自信を持つことから、創業以来とんこつラーメン1本のみというメニュー設定にも多くのファンを魅了し続ける専門店としての誇りが垣間見える。

顧客からの要望に応え24店目となる新宮店

3月には、福岡東エリアの顧客からの強い要望に応える形で、新宮町に24店目となる「新宮国道3号線沿い店」をオープン。
「発祥の店 那の川日赤通り店」と同じく、木目調の外観や屋台、赤いちょうちんが目を引く昭和初期をイメージしたデザインを採用した。店内は、お馴染みとなった両側を板で仕切る「味集中カウンター」とともに、進化を遂げた2〜3人用カウンター席も設置。子供連れの家族なども安心して来店できるための配慮だ。「味」だけでなく「味わうこと」へのこだわり、そして「味わうこと」への「安心」をここでも実現している。
同社の方針である出店の際には自店のことだけでなく、出店エリア全体のことを考え、他の飲食店も含めた「街の活性化」につながる戦略を組むところにも地域密着・地域貢献への姿勢がうかがえる。

特許取得の「味集中システム」の核には人

「顧客に最も美味しく食してもらえる環境づくりを」という想いが詰まった同社の「味集中システム」。3月にはその独自の店舗システムで特許を取得した(特許第4267981号)。このシステムでは入店から注文、会計に至るまでスタッフと顧客はほとんど顔を合わせることはない。だからこそ、同社では「人間性第一の社風」に重きを置き、何よりも「人」を育てることを重視している。顔を合わせることができなくても感謝の気持ちを伝えることができる。そんな人間性を持ったスタッフを揃えること。これこそが「味集中システム」を機能させるうえで、最も核となる部分ではないだろうか。
激変する社会情勢の中、企業も人も変わり続けていく。しかし、その中においても時代に流されず、変化ではなく進化することで、一途に「こだわり」を守りながら、今日も1杯のラーメンに情熱のすべてを捧げていく。

1階に「中洲川端駅上店」が入る本社の外観

 

企業DATA
【所在地】〒810-0801福岡市博多区中州5-3-2一蘭本社ビル
【TEL】092-282-1111
【FAX】092-282-1311
【設立】1995年(平成7年)12月
【創業】1960年(昭和35年)
【資本金】4000万円
【事業内容】飲食店(ラーメン店「一蘭」)経営
【年商】50億9600万円(2008年12月)
【代表者】吉冨学(よしとみ・まなぶ)
【従業員】正社員90名・パート1,200名
【関連会社】有限会社一蘭(福岡生産工場・横浜生産工場)ICHIRANUSAINC.
【URL】http://www.ichiran.co.jp

採用情報
●募集職種(実績):店舗管理、店舗開発、企画・広報、総務、経理
●応募資格:各種大学、短大、専門学校、高校
●問合せ先:本社フリーダイヤル0120-606-292
●担当:総務部人事課平峰和浩(jinjika@ichiran.co.jp)

(ふくおか経済EX2009年)