FEATURE

ふくおか経済EX 2016

㈱チヨダ


総合力生かしユニフォーム管理業への転換着々と

刺繍や補正などの加工業務を内製化することで、納期の短縮とコスト削減を実現した

クリーニングの受注業務、レンタル、補正・刺繍、保管業務など、ここ数年でユニフォームに関する全ての業務を内製化。これまでの単なるユニフォームの納入業者という位置付けから、付加価値の高いユニフォーム管理業への転換を進め、競争力のさらなる強化を図っている。

長期保管やレンタルの需要増で備蓄機能を強化

ユニホームの長期保管、クリーニングサービスが好評のレンタル事業が、法人・大口需要を中心に大きな伸びをみせている。
2015年10月には嘉麻市に2階建ての物流センターを開設したのに加え、今春には北九州市小倉北区井堀にも新たな物流拠点を開業。備蓄機能のさらなる強化を図っている。
「海外に生産拠点を移すメーカーが多い中、納入業者の都合やタイミングで必要な量のユニフォームを仕入れることが難しくなっている。見込み案件に対し、あらかじめまとまった在庫を抱えておけば、急な欠品時でも迅速に対応することができる」と山口社長は胸を張る。
備蓄機能の充実とともに、スムーズな納期対応を可能にしたもう一つの要因が加工業務の内製化だ。同社では2014年に本社近くの2階建てビルに刺繍や裾上げなどを行う専用工房を開設。今年に入りさらに刺繍ミシンなどを増設したほか、人員も増やし大幅に作業能力をアップさせている。
まさにユニフォームの受注から、加工、納品、クリーニング、保管までをワンストップで提供できる基盤を確立。納入形態も販売、レンタルと選択肢も増え、顧客の利便性向上とともに、同社の営業の幅もさらに広がった。

本社エントランスにも様々な種類のワークウェアを展示

営業の高いパフォーマンスを引き出す環境を確立

一方の社内体制においては、近年、営業部門のより高いパフォーマンスを発揮する様々な取り組みにも力を入れてきた。
その一つが営業活動の効率化だ。かつて営業スタッフが行ってきた商材の受発注業務などを管理部門が引き受けることで、営業スタッフの負担軽減を図った。
また営業支援ツールとして新たな顧客管理システムも構築。これまでの商談履歴や過去の取引実績などから、「案件内容、日時、受注額」といった見込み状況を把握できるようになり、予算化しやすい戦略的な営業を可能にした。
また既存顧客に対しても、これらの情報をベースに、同社のネットワークを生かして収集した業種・職種ごとの様々な事例や情報を反映させることで、提案の精度を上げ、CSのさらなる向上につなげている。

南警察署そばにある本社ビル

北九州での市場開拓に注力

このように高効率な営業体制の確立によって、よりフレキシブルな営業展開を可能にした同社が、今後の新たな戦略の柱と位置付けるのが北九州都市圏の開拓だ。前述した物流拠点の新設に加え、すでにスタッフを増員するなど支店機能の強化。売上高5億円という支店の数値目標のクリアに向け、新たなマーケットを掘り起こしていく。
「ハード、ソフトの両面の整備で今後を見据えた基盤は作れた。この投資をしっかり生かし、当面の目標である売上高20億円の突破を目指す」と意気込む山口社長。ユニフォームの納入業から「ユニフォーム管理業」への転換を進めている中、今後も総合力を強みに付加価値の高いサービスで顧客の快適な職場環境作りに貢献する。

山口剛弘常務(左)と山口進社長(本社1階のショールームで)

 

企業DATA
所在地 〒815-0032 福岡市南区塩原2-7-5
TEL 092-562-1221
FAX 092-562-2511
創業 1961年8月
設立 1972年10月
資本金 1,000万円
事業内容 企業ユニフォームの卸売・小売・レンタル
年商 16億円(2015年07月期)
従業員 45人
出先 (支店)北九州、久留米、飯塚 関連会社 ㈱チヨダネットワーク、㈱チヨダセレクション、㈱ウィンブロス
URL http://www.chiyoda-jp.com

(ふくおか経済EX2016年)