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ふくおか経済EX 2019

ファーストライフ(株)


人が自ずと集う魅力的な施設運営を

「主役はお客様の看護・介護を実践する。」を理念に、介護付有料老人ホーム「八重の杜」「ラフィーネ」「南王子さくら館」「到津の森」を運営するファーストライフ㈱。全4施設でほぼ満床が続き、新たに北九州市内で施設を建設している。

サービスの質向上で差別化

同社は2004年9月に設立し、翌年に「到津の森」を開業して以来、過去の実績や経験で培った介護施設運営ノウハウや処遇関連等を活用し、人が自ずと集まってくる魅力的な施設運営を目指している。山口社長は「入居者一人一人の性格や人生背景、生活状況などが違うため、法人・職員全体でそのことを深く理解すること。また、日々変化する状況に一期一会の精神で柔軟な対応ができるようサービスの質を向上させることで他と差別化を図っている」と話す。
2015年7月に小倉南区上葛原2丁目に開設した「ラフィーネ」では室内の消臭や抗菌効果が高いとされる可視光応答型光触媒を壁や天井、床に採用。最上7階にはパワーリハビリセンターや展望レストランなどを設け、外部にも開放している。同年9月には施設2階に保育所「ラフィーネこども園」を開設し定期的な園児との交流会も入居者から好評だ。医療ニーズの高い高齢者も受け入れ、提携病院の専属ドクターと介護士の情報共有にも余念がなく、安心や快適を第一に考えた住まい、医療、介護、予防、生活支援の実践で支持を高めていく。

保育所「ラフィーネこども園」

小倉北区上到津4丁目に5施設目

「到津の森」南側に5施設目を建設している。敷地面積は825㎡。建物は鉄骨3階建てで延べ床面積は約2000㎡。入居定員は35人で、新規も受けつけるが基本的には隣接する「到津の森」の重度の認知症入居者を中心に受け入れる。山口社長は「重度の認知症の方を受け入れる施設は少ないので新施設はそのような方の受け皿として機能させていきたい」と展望を語る。

職員のスキルアップを支援

同社では一人一人のキャリアアップ支援を通じた自己実現が可能となるよう「キャリアアップ支援規定」を設け、正社員やパート問わず介護に携わるすべての職員に適用している。これは資格取得のために必要な修学資金を同社で立て替え、無利子で貸与するもの。貸与総額の半分にあたる金額を毎月の給与から天引きし、残り半額は継続勤務かつ資格取得した場合に返還を免除するという。支援対象となる資格は介護職員初任者研修資格、介護福祉士資格、介護支援専門員資格、相談支援専門員資格、社会福祉士資格の5つで2018年度は従業員の15%にあたる30人がこの制度を活用した。

2018年12月に完成した「アルシオンブルービル」

小倉の繁華街に自社ビル完成
街のにぎわい創出に貢献

一方、関連会社で不動産業のアルシオン㈱が北九州市小倉北区紺屋町に建設していた10階建てのテナント、駐車場、オフィスの複合ビル「アルシオンブルービル」が2018年12月に完成した。敷地面積は1,485㎡で、延べ床面積は9,592㎡。1階がテナントで2階から8階が200台収容の自走式駐車場、9階から10階はオフィスとなり、このフロア構成は県内では初という。山口社長は「かねて北九州市からオフィスビル建設の要請があったが、全フロアをオフィスにすると景気動向によってはリスクがあるので2階から8階を駐車場にした」と説明する。
外壁には縦5.5メートル、横6メートルの大型ビジョンを設置し、夜になると青くライトアップされる同ビルは街のランドマークとしてひときわ存在感を放つ。ビルには高速エレベーターを設置。1階から10階までわずか13秒で到達しストレスを感じさせない。利用者からは「場内は照明が明るく、全体的にスペースが確保され安心して駐車、出庫できる」と好評だ。

山口 直彦 社長

【DATA】
所在地/ 〒802-0006 北九州市小倉北区紺屋町8-1 アルシオンブルービル10F
T E L/093-512-6786
F A X/093-512-6787
設  立/2004年9月
資本金/2,500万円
年  商/11億円(18年6月期)
事業内容/ 有料老人ホームの運営、コンサルティ ング、保育所運営
従業員/200人
関連会社/アルシオン㈱
U R L/http://www.first-life1.jp/

(ふくおか経済EX2019年)