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TheFace2023

ダイショー


阿部 孝博

㈱ダイショー 社長

あべ・たかひろ/福岡市東区出身。1957年8月16日生まれの66歳。山口大学農学部卒、81年10月入社。96年6月取締役、2000年6月福岡工場長・購買部担当、01年6月常務、10年5月専務、13年6月副社長、16年4月から現職。趣味はDIY。最近は自宅の庭にある池の浄化設備を自ら改良するなど、その技術とこだわりは趣味の域を超えるほど
(写真)九州工場の屋上一面(約3300㎡)に敷き詰められた太陽光パネルを視察する阿部社長(右)。設置されたモジュールは1500枚に及ぶ

変化に対応した経営基盤づくりを

原油・原材料高騰という厳しい経営環境にありながら、適正な価格転嫁や自社経費の削減といった企業努力を積み重ね、上期は売上、利益とも期首予想を上回る見込みだ。特に6月以降は、シリーズ系を中心とする新製品の販売好調が業績をけん引。主力の鍋スープの需要が高まる下期への期待も高まる中、上期の好調な滑り出しは通期の目標達成に向けても大きなアドバンテージになったと言えよう。
とは言え、9月が季節外れの残暑だったことやこれからの暖冬予測、また海外展開についても、処理水放出に伴い中国が日本の水産物の輸入を停止する動きを見せるなど、マイナス要因は付きまとう。「先行きは楽観できない。常に危機意識をもって対応していくことが重要」。阿部社長はそう気を引き締め、引き続き商流の効率化や生産体制の合理化、高付加価値な製品開発を進め、費用増や外的要因に左右されない経営体質の構築を目指す。
昨年12月には九州工場の屋上に太陽光パネルを設置した。電気代の削減はもちろん、BCP対策や環境やSDGsに配慮した工場づくりも食品メーカーとしての大事な使命だ。これからも変化に対応する持続可能な経営基盤を作り、食の安心・安全を届ける。

DATA
(福岡本社・工場)所在地/〒812-0064 福岡市東区松田1-11-17
TEL/ 092-611-9321
(東京本社)所在地/〒130-0014 東京都墨田区亀沢1-17-3
設立/1966年12月
資本金/8億7,000万円
事業内容/たれ、粉末調味料、スープ等製造販売
従業員/704人
売上高/233億7,400万円(2023年3月期)
拠点/関東工場、九州工場、福岡第二工場、広域営業部、首都圏営業部、圏央営業部、
関西営業部、海外営業部ほか全国9支店、26営業所

https://www.daisho.co.jp

(ふくおか経済2023年11月号FACE)