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ふくおか経済EX 2017

ゼオライト(株)


経営効率化推進、永続企業への基盤づくり進む

2016年8月のトップ交代で事業承継が本格化している。二人三脚で会社の礎を築いた河村恭輔名誉会長、河村勝美会長から経営のバトンを託された嶋村謙志社長。アメーバ経営の成果を弾みに、今後の関東エリアを中心とした市場開拓に力を入れ、永続企業に向けた新たな基盤づくりを着々と進めている。

アメーバ経営が生んだ社員の意識改革

今期掲げた売上目標30億円(前期実績28億円)に対し、上期は予算の102%を達成するなど新体制初年度の滑り出しは上々。下期も大型案件を中心に安定した受注を見込むなど、目標達成は確実な状況だ。

「トップ交代初年度。当初は本当に目標数値を達成できるか不安だった」と振り返る嶋村社長。社長就任後も、しばらくは現場対応などの実務が多忙で、経営全体を見渡す余裕はなかったが、導入から3年が経過したアメーバ経営が着実に浸透していることを実感。「社員一人ひとりが自律し、責任を持った行動ができるようになった。これが結果として数字に表れた」と今後に向け大きな手応えをつかんでいる。

今期はアメーバ経営によって改善された生産効率をさらにアップさせるべく、これまで課題だった社内システムのIT化に着手。すでに来期のスタートに合わせ、経理システムと購買システムの構築を進めており、高効率な社内環境の整備に力を入れている。

逆浸透純水製造装置「クリスタルロゼット」。洗浄機に設置するだけでグラスのウォータースポット(水斑)が除去できる。ホテル、結婚式場などでの導入が期待される

千葉県に「東関東営業所」を開設

高い技術力とメンテナンス体制による大型浄水プラントの建設に加え、近年は保守・メンテナンス分野において、プラント設備の更新時に他社からゼオライトに切り替えるケースが増加。その積み重ねた実績と高い信用力で、大手企業からビシネスパートナーとしての引き合いも増えている。

その中でも取引量を増やし、今後の成長戦略の重要拠点と位置付けているのが関東エリアだ。すでに人員増など機能強化を図っている東京支店に加え、今年1月には千葉県八千代市に「東関東営業所」を開設。同営業所では地元のさく井工事業社と協業で、小・中型の浄水器販売、メンテナンスを中心に稼働し、新たな需要を掘り起こす。

定期的に実施している社内勉強会

本社に浄水器の展示場、レンタル事業も開始

また本社では4月をめどに宅配水事業「わかみず事業部」の事務所内を改装し、浄水器のショールームを開設する。そこには前期から販売を本格化している新商品「クリスタルロゼット」も展示される。同製品は既存のグラス洗浄機に接続するだけで、純水を供給でき、グラスのウォータースポット(水斑)を抑制することができるグラス洗浄機用RO純水装置だ。経費削減や品質向上を目的に、グラスを多く使用するホテルや結婚式場からの注目度が高く、すでに全国展開する結婚式場チェーンが導入するなど、これからのさらなる拡販が期待される。

またこれまでの大型施設での導入実績を生かし、小規模事業所や個人向け浄水器のレンタル事業も開始。安心・安全な水への関心が高まる中、新たな施策による市場の開拓にも力を入れる。

「現在の仕事の9割近くはトップ営業によるところが大きい」。河村勝美会長、河村恭輔名誉会長もそう認めるほど、嶋村社長への顧客からの信頼は絶大だ。名誉会長、会長が築いた歴史・理念を受け継ぎ、100年企業への発展に動き出しているゼオライト。新社屋建設も見据える中、社員の物心両面の幸せを実現すべく、全員一丸となってこれからの目標に突き進んでいく。

左から嶋村謙志社長、河村恭輔名誉会長、河村勝美会長

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拠点網拡大に伴い今年からテレビ会議システムを導入。毎朝各営業所と連絡を取り情報共有を図っている

【DATA】
所在地 〒812-0893  福岡市博多区那珂5-1-11
TEL 092-441-0793
FAX 092-441-0796
創業 1969年11月
設立 1970年8月
資本金 9,000万円
事業内容 水処理プラントの企画・設計・製造とメンテナンス、ROミネラルウォーター「わかみず」の宅配
年商 28億7,300万円(2016年7月期)
従業員 103人
出先 (支店)東京、大阪、名古屋(営業所)東関東、岡山、熊本、大分、長崎、北九州、宮崎
(工場)プラント組立工場、わかみず工場
関連会社 ㈱アクアゼオライト
URL http://www.zeolite.co.jp/

【採用情報】
募集職種 営業系、技術系、メンテナンス系
応募資格 平成30年3月 大学卒業予定(化学・電気・機械工学専攻で資格所有者は優遇)
詳しい採用情報はホームページをご覧ください

(ふくおか経済EX 2017より)