FEATURE

ふくおか経済EX 2016

ゼオライト㈱


本格的な全国展開に伴い8月にはトップ交代へ

(写真上)新たな技術として注目を集める限外ろ過膜(UF膜)を用いたろ過装置
(写真下左)入念に点検作業を行うメンテスタッフ
(写真下右)新開発の逆浸透純水製造装置「クリスタルロゼット」。洗浄機に設置するだけでグラスのウォータースポット(水斑)が除去できる。ホテル、結婚式場などでの導入が進む

高い技術力を駆使した開発力、そしてメンテナンス力を強みに全国展開が加速している。今年8月にはトップ交代が決定。世代交代を含む人材育成が本格化する中、社屋建設も計画するなど、永続企業に向けハード、ソフトの両面で新たな基盤づくりが急ピッチで進んでいる。

関東エリアでの展開を強化

高い技術力とメンテナンス体制によって、井水処理を中心とした大型浄水プラントの建設に加え、近年は保守・メンテナンス分野においてプラント設備の更新時に他社からゼオライトに切り替えるケースが増加。そのため営業エリアは九州から全国へと広がり、その積み重ねた実績と高い信用力でビジネスパートナーとしての引き合いも年々増えている。
特に伸びているエリアが関東地区だ。昨年は手狭になった東京支店を拡張し、人員も増やすなど機能を強化。今後は受注件数の多い、千葉、横浜にもメンテナンス拠点を設ける計画があるなど、成長戦略の重要拠点と位置付ける関東エリアでの展開強化に備える。

8月から嶋村新体制が始動 強固な組織づくり着々と

家業から企業へ―。
永続企業に向け世代交代という転換期を迎えている。47期を迎える今年8月には嶋村謙志副社長が新社長に就任することが決定。新体制のもとでのさらなる飛躍が期待される中、すでに取り組んできた組織力強化に向けたさまざまな施策も着実に実を結び始めている。
特に経営管理面ではアメーバ経営の実践が奏功。事業の採算・効率性を重視した高利益体質へのシフトが進み、社員もコストへの意識、一人ひとりが自覚を持って業務に当たる風土が形成された。また新たな人事評価制度導入に向けた準備も進行中で、競争意識や経営参加意識による社員のモチベーションアップへの効果も期待されている。
そして後継人材の育成については、技術の継承はもちろん、定期的な内部研修や事業承継や労務に関するブレーンを招いた勉強会などを通じ、将来の経営幹部層のマネジメント力向上につなげている。

2017年中に新本社屋建設へ

一方ハード面においては、本社を建て替える一大プロジェクトがいよいよ動き出そうとしている。
社員数はここ10年足らずで倍増。現在は110人を超える大所帯となり、今後も本格化する全国展開に備え、新卒、中途採用を含めた優秀人材の確保にも注力する同社にとって、手狭になった事務所の拡張は急務となっていた。
「東京オリンピックが目前に迫ると建設資材の高騰なども考えられる。おかげさまで事業も安定的に推移している今が社屋建設のタイミングと判断した」と、当初予定よりも前倒しで計画を進めていくことを明かす河村社長。計画では、現本社のある敷地に、延べ床面積2000㎡、4、5階建ての新社屋を建設。設計室を独立した個室とするなど、効率的で快適なオフィス環境となる予定で、2017年中の完成を目指している。
工学博士である河村恭輔会長が築き上げた長年の実績と経験、そして水への情熱が、卓越した技術力を築き、九州屈指の水処理プラントメーカーへと発展したゼオライト。売上高30億円の突破も目前と迫り、今まさに成長の過渡期を迎える中、ハード、ソフトの両面で体質強化を進め、企業としての確かな価値創造と永続性を生み出す万全の態勢のもと、新たな経営陣にバトンを託す。

二人三脚で歩んできた河村恭輔会長と河村勝美社長

8月に社長就任が予定されている嶋村謙志副社長

 

企業DATA
所在地 〒812-0893 福岡市博多区那珂5-1-11
TEL 092-441-0793
FAX 092-441-0796
創業 1969年11月
設立 1970年8月
資本金 9,000万円
事業内容 水処理プラントの企画・設計・製造とメンテナンス、ROミネラルウォーター「わかみず」の宅配
年商 24億6,887万円(2015年7月期)
従業員 110人
出先 (支店)東京、大阪(営業所)岡山、熊本、大分、長崎、北九州(工場)プラント組立工場、わかみず工場関連会社 ㈱アクアゼオライト
URL http://www.zeolite.co.jp/

採用情報
募集職種 営業系、技術系、メンテナンス系
応募資格 平成29年3月 大学卒業予定(化学・電気・機械工学専攻で資格所有者は優遇)
詳しい採用情報はホームページをご覧ください

(ふくおか経済EX2016年)