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次世代担う人材中心に新たな企業理念を策定

（写真）笑顔でカメラに写る福岡事務所のメンバー

国内トップクラスの建築積算専門事務所の㈱縁では、新卒１期生として入社した森義憲常務が専務に昇格するなど世代交代に着手。森専務を中心とした次世代を担う人材たちが、新たな企業理念となる「ミッション・ビジョン・バリュー（MVV）」を策定した。

将来像示す新たな企業理念策定

国内トップクラスの建築積算専門事務所の㈱縁は、「2024年問題」で大転換が始まった建設業界の変化への対応が迫られる中、世代交代に着手。24年7月、新卒１期生で入社した森義憲常務が専務に昇格し、次世代を担う所長や部門長たち７人とともに「ミッション・ビジョン・バリュー（MVV）」を策定した。小佐古哲哉社長は「50年、100年企業を目指す上で、新しい世代に会社の将来像を創造してほしかった」と狙いを語る。
新しく策定した企業理念では、創業者の寳部勝彦会長が示した社訓『一期一会』を礎にしつつ、縁の存在意義や価値観を明文化。目に見えないところを読み取り、根拠ある数値で、建設プロジェクトを繋いでいく「ミッション」。コストマネジメントで、安心な街づくりを支える「ビジョン」。1.お客さまの要望に、迅速、かつ柔軟に対応する。2.正確で安定した品質を提供する。3.プロフェッショナルとして、知識と技術を磨く。1～3を実践し続けることで、全国・全社員が一丸となり、お客様の期待を超えることを目指す「バリュー」。これらをMVVとして定め、今期から社外にも発信していく構えだ。

充実した社員教育で、
細部までこだわる積算技術を継承

建築の幅広い分野に貢献できる人材育成も強化している縁。2011年4月に始まった体系化された新入社員研修制度では、寳部会長の「美しい計算式と言われる細部にまでこだわった仕事を極めてほしい」という思いを伝えている。具体的には、入社後3カ月～9カ月の期間、設計図の見方など建築の基礎から、積算基準や手順の基礎、積算実務までをじっくりと指導。同社が培った知識や技術ノウハウを丁寧に次世代へと継承している。さらに、ビジネスマナー講習会、建築積算協会主催の講演会への参加など多彩な教育カリキュラムを用意し、一社会人として成長できる環境を整備した。
その一方で、コロナ禍以降は「社員間の意思疎通が希薄化しており、技術継承に遅れが見受けられる点もある」という。物件ごとにチームを編成してプロジェクトを進めている縁では、社員間の円滑な交流は重要な要素。現在、コミュニケーションの改善や実践的な研修を通じて、足元の積算技術の見直しも図っている。
そのほか、魅力的なリーダーの下で学べる環境を整備するため、管理職研修を促進。社内講義などで、建築業界の技術革新に対応できる知識を身に付けた真の建築積算のプロを育成し、会社の成長に繋げている。それに加え、志を高く持ち、技術向上に励む社員を正当に評価する人事考課制度の改革も同時に推し進める。

過失“0”の確実な仕事で
「技術日本一の建築積算事務所」へ

23年5月に開所した札幌事務所含めて全国8カ所に事業所を構え、在籍積算技術者が121人と売り上げ・スタッフ数ともに業界トップクラスとなった今でも目指すのは「技術日本一の建築積算事務所」。「迅速・正確・親切」な積算技術を次世代に継承し、過失“0”の確実な仕事を心掛け、顧客に新しい価値を提供していく。

小佐古哲哉 社長（左） こさこ・てつや／1964年11月26日生まれの60歳。建築会社、積算事務所での勤務を経て縁に入社、広島事務所所長、副社長を務め2011年5月に社長就任。趣味は読書 森義憲 専務（右） もり・よしのり／1974年2月20日生まれの51歳。94年に縁入社。大阪事務所初代所長を務めたほか、福岡事務所所長、取締役、常務を経て、2024年7月に専務就任。趣味はゴルフ

採用情報
募集職種／建築積算業
応募資格／建築の経験者や技術者、および建築を学びたい方※全国の希望勤務地に配属
採用実績／2025年度8人
採用予定／16人
年間休日／115日
問合せ先／TEL.092-452-1120

（ふくおか経済EX2025年）