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事業領域の拡大で「総合不動産企業」目指す

（写真左上）東京本社エントランス　（右上）ロフトで空間を切り分ける「GRANDTIC L-STYLE」
（左下）東京本社会議室 （右下）間取りに土間を設ける「GRANDTIC D-STYLE」

国内外10カ所で投資用アパートの企画販売を展開。富裕層を中心に顧客を獲得し、着実に成長を続けている。関東エリアの強化で3月に東京本社を拡張移転し、6月に横浜支店を開設予定。人的資本への投資も積極的で、社員のモチベーション向上や組織文化の強化にも余念がない。

北青山に東京本社を移転拡張

「堅実なアパート経営」を標榜し、福岡を起点に国内外10カ所で事業展開。「グランティック」、「レガリスト」シリーズを中心に、2006年の創業以来1,114棟の販売実績を誇る。購入層も「アッパーマス層」を中心とした富裕層が増加。これを支えているのは、確かな物件力と管理力、継続力だ。デザインからセキュリティ、機能性、立地まで全てにこだわる。完成後も安心の管理サポート体制で、独自の管理システム導入により高い入居率を達成。また、安心の保証システムをそろえ、安定したアパート経営ができる環境も備える。
2022年の自社企画開発物件の賃貸管理戸数（12月末時点、7,436戸）における年間の平均入居率は99.4％と依然高水準を維持している。また、同社では「収益稼働率」という独自の指標を採用。年間完全満室状態を100％とし、新築時のプランで提案された家賃収入が、築年数を経ても維持できているかを集計したものだ。この平均も98.6％（自社企画開発物件、22年12月末時点）で、前年比0.3％上昇した。中島厚己社長は「管理部のきめ細やかな日々の業務の賜物。必死に全力を尽くす姿には、自社の社員ながら頭が下がる」と笑顔を見せる。
3月1日付で東京本社を港区赤坂から同区北青山に移転。従来の2倍となる330㎡に拡張した。今後は関東エリアを強化する方針で、6月に横浜支店の開設を予定している。並行して沖縄でM&A案件を検討中で、好調な台湾の営業活動を本格化する考え。23年6月期は過去最高の売上高130億円を超える見込みで、より一層の飛躍に期待がかかる。

6月にRC1号物件が着工へ

昨年4月に地場戸建て住宅メーカーの㈱イオスコーポレーションを子会社化し、住宅事業に参入。「総合不動産企業」を目指すべく、事業領域の拡大に力を注ぐ。中島社長は「不動産に関わる全ての分野についてグループ内で完結できる組織を構築する。既存拠点のあるエリアを中心に、M&Aの活用も引き続き模索していく」と展望を語る。また、昨年5月に設立した㈱アイケン建設では、投資用マンションの一棟売りを自社シリーズ「ADORE（アドレ）」で展開する。第1号物件（9階建て、1LDK26戸）が今年6月に福岡市中央区六本松で着工、来年8月の完成を目指す。

人的資本に積極投資

23年度スローガンは「祓貧招福（ばひしょうふく）」。中島社長の考案した造語で、「自分に取り憑いている貧乏神を追い祓い、福の神を宿らせよう」という思いが込められている。今年度は人的資本へ積極的に投資し、長期勤続による社員スキルやモチベーションの向上、優秀な人財の確保でさらなる成長を図る。1月には基本給を一律で底上げするベースアップを実施した。物価高から社員の生活を守り、待遇改善で人材確保につなげる狙いで、全社員の給与を平均10％引き上げたほか、7月からは昇格に伴う昇給幅の拡大も予定している。また、2月からは完全匿名で意見を収集できるアプリを活用した「目安箱」を導入。社員の本音を集め、ガバナンス強化や離職防止、組織文化の強化に努めていく。戦略的な事業展開を継続し、さらなる存在価値の向上へと突き進む。

中島厚己 社長 なかしま・あつみ／大分県日田市出身。1965年7月23日生まれの57歳。九州電子計算機専門学校福岡校卒。不動産賃貸仲介会社、アパート販売会社などを経て、2006年㈱アイケンホームを設立、14年に㈱アイケンジャパンへ社名変更した。趣味はドライブ、ゴルフ

採用情報
募集職種／総合職（不動産管理部・営業部・工務部）
応募資格／短大、専門、高専、大学2024年卒業見込み、または卒業後2年未満（全学部全学科）
採用実績／23年度8人
採用予定／15人
問合せ先／TEL.092-739-6658
担　　当／総務部新卒採用担当　三宿、家令、藤井

（ふくおか経済EX2023年）