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着実に進む次世代育成自ら考え行動する人材増やす

ポリエチレンフィルムを主力に、時代のニーズに合わせた製品開発で成長を続ける地場有力包装資材メーカー。将来を担う幹部候補の長期的な育成を進める「次世代リーダー研修」も2年目を迎え、メンバーの成長が著しい。自ら考え行動する人材の育成に力を注ぐ。さらなる飛躍に向け、あらゆる可能性を追求していく。

eスポーツイベントを初開催

「大学とディズニーランドが融合された、アミューズメントパークのような場所にしたい」。就任3年目を迎えた渡邉裕美社長は、会社の未来図をこう描いている。
創業以来、ポリエチレンフィルムを軸に地場有力包装資材メーカーとして、その地位を確立してきた。メーカーでありながら、商社を通さずダイレクトに販売する「直販システム」を構築。自社商品に固執せず、商社機能を兼ね備える点も大きな特徴だ。そのような成長の歴史を持つ同社において、「現状の課題は一人一人が自分の可能性を信用しきれていないこと。そのためには、自ら考えて行動を起こす環境を整える必要がある」と言い切る。就任後、少人数のチームを作り、異なる目線からアイデアを出し合って課題を解決する取り組みを開始した。昨年9月には、自社企画でeスポーツイベントを地元遠賀町で初開催。自社マスコット「ポリ美」も登場し、会場の盛り上がりのみならず商品PRにも一役買った。「大学のように研究室があり、社員のアイデアをもとに新たな試みができる。食堂や保育所もあって、国籍やジェンダー関係なくさまざまな人が集う。そのような場所をここに作りたい」と語るその目は本気だ。

(写真上)次世代リーダー研修のミーティング
(下)左から、堀之口孝紀営業部鹿児島営業所所長、松山真一福岡工場製造2課部長、石橋菜美福岡工場係長

 

次世代リーダーの著しい成長

将来を担う幹部候補の長期的な育成を進める「次世代リーダー研修」が2年目を迎えている。メンバーは、松山真一福岡工場製造2課部長(勤続26年)、堀之口孝紀営業部鹿児島営業所所長(同21年)、石橋菜美福岡工場係長(同11年)の3人。この1年、ミッション「地球と未来を笑顔に」とビジョン「新しいものを創造し続ける企業」を掲げて意識改革に取り組んできた。渡邉社長は「3人とも物事を自分事として捉えられるようになったのが大きな変化」と目を細める。「全社員との対話を通じて、率直な意見や思いを知ることができた。特に向上意欲を感じられたのは大きい」(松山部長)、「世代や業務内容も違う中で、関係性が深まり、考え方を共有できるようになった」(堀之口所長)、「きつかったが、上の立場の人に対しても自分が率先して取り組むことで、いい経験ができた」(石橋係長)と振り返る。
従業員エンゲージメントを進めていく中で、「上司から褒められたことがない」と感じ取っている社員がいる状況を把握。逆に役職者からは「経験がないので褒め方が分からない」との声が上がったという。そのため、部下を褒めるための研修を役職者対象に実施。松山さんは「自身も経験は全く無かった世代。かしこまるのではなく、素直に出てくる言葉が大事だと学んだ」と明かす。
今後について、堀之口さんは「業務の事例など営業所間の情報共有を通じて、業務改善につなげたい」、石橋さんは「自分に対しての理解が深まった1年だった。良いところを出しながら、楽しく仕事をしていきたい」、松山さんは「いち早く戦力となる人材を育て、マネジメントの目線で現場を見たい」と展望を語る。渡邉社長は「現状では、女性で管理的立場にいるのは石橋1人。組織活性化のためにも可能性を閉ざさず、彼女を見て学んでいってほしい」と期待を寄せる。さらなる飛躍に向かって突き進む同社から目が離せない。

渡邉裕美 社長
わたなべ・ひろみ/遠賀郡遠賀町出身。1967年4月10日生まれの55歳。米国大学卒。業務用厨房機器メーカーで約27年勤務し、2017年同社入社。創業者で父の長谷川進現会長の後を継ぎ、19年10月から現職。趣味は新しいものを見つけること

 

 

採用情報
募集職種/営業職
応募資格/全学部全学科
採用予定/2〜5人
問合せ先/TEL.093-281-5111
担当/総務部 塩屋宏和

(ふくおか経済EX2023年)


会社情報COMPANY PROFILE

会社名
日進化学(株) (ニッシンカガク(カ)
代表者名
渡邉裕美
所在地
〒811-4342 遠賀郡遠賀町大字尾崎1716-2
TEL
093-281-5111
企業ホームページ
https://www.nissin-chemical.jp
設立
1971年9月
創業
資本金
9,600万円
従業員数
120人