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逆境乗り越え、「人を喜ばせること」に向けリスタート

新天地で展開を始めたコンセプト不動産。特に北九州市の展開が勢いを増し、年商50億円を目指して体制づくりを急ぐ。日本語学校では入国規制緩和で、入学希望者が急増。専門学校4校では高度技術者育成の準備に余念がない。コロナ禍の逆境を乗り越え、共通理念の「人を喜ばせること」に向けてグループが動き出す。

広島で5棟、北九州12棟を供給

2017年夏に開始したコンセプト不動産は、3月末までに全国108棟・621戸を供給。昨年からは広島市と北九州市での展開を始め、11月末までの今期中に広島で5棟、北九州で12棟を供給する。特に北九州では今後も年間10～15棟を供給する計画で、展開を加速する。
同社が木造アパートの一棟売りのビジネスモデルを立ち上げて20年以上が経過した。全国の供給棟数は300棟を超え、管理戸数は2601戸に及ぶ。エリア別では福岡1,800戸、名古屋756戸、関東27戸、広島18戸。支店開設から11年目を迎えた名古屋が福岡に次ぐ市場に成長した。特にコンセプト不動産は、管理戸数の2割を占めるまでになり勢いを増している。

（写真）食事好き・料理スキのための「デリカ」プラン

年商50億円を目指した体制づくり

コンセプト不動産は「2025年には少子高齢化がピークを迎える。若年層向けに大量生産のアパートを展開していけば、供給過多で家賃競争になる。コストはかかるかもしれないが、居住者の好みに合わせた個性ある物件を開発することで、入居者定住と資産価値を高めたい」との考えから生まれた。コンセプト次第で多少不便な用地でも地域の特異性を生かせ、土地の価値を見直して有効活用を図れる利点を持つ。
例えば、「デリカ」プランは料理好き・食事好きのために、キッチン周りを広く確保。食事の時間を充実できる開放感のある間取りや色合いで、賃貸物件には珍しいグリル付き3口ガスコンロを備える。また、おしゃれ好きのための「衣裳部屋」プランはクローゼットや収納コーナーを充実させ、衣装や靴、バックなどの小物収納スペースと足元まで映るウォールミラーを装備する。他にはないこうした個性的プランは15種類。万人受けではなく、あえて入居者を絞り込み、ニーズに徹底的に応えて差別化し、入居率99％の高さを誇る。
物件力だけでなく、投資やファイナンス面でも不動産投資のプロとしてオーナーをサポートする。リピート率57％、紹介率36％の高さがオーナーからの信頼の厚さを物語る。ちなみに創業者の阿部浩二会長が講師を務める人気のオンラインセミナーは、ユーチューブチャンネルの開設で気軽に学べる場へと進化した。
今期の年商目標は30億円で、来期は50億円を目指す。「高い目標を掲げることで、優秀な人材が集まる。50億円達成のための体制づくりを急ぐ」と新卒採用に意欲を見せる。開発が進んでいる新プランは、自他ともに認めるゲーマーの新入社員が自身の趣味から発案した。入居者の年齢層は20代後半～30代前半が中心だけに若い社員の発想が生きてくる。

（写真）Youtubeで『あべちゃんの不動産投資ちゃんねる』を配信

入国規制緩和で留学希望者が急増

一方、㈻愛和学園は日本語学校1校と専門学校4校を運営。人手不足で外国人労働者の受け入れが不可欠な日本社会で、単に人手不足を補うためでなく、真のグローバル社会の実現を目指し、今後の社会に必要不可欠な高度技術者の育成を図る。
留学生の入国規制緩和で日本語学校の愛和外語学院の入学希望者は急増した。こうした留学生に専門技術を習得させ、社会が必要とする分野に人材を送り出す。九州ビジネス専門学校では今春、ホテルビジネス科を新設。国内外から高まるホテル需要のなか、人手不足に悩む業界で活躍できる人材の育成を図る。
アパートのオーナーと入居者、学園に学ぶ学生、そして社員にも「あなたらしい人生に喜びと価値を」とサポートし、グループの共通理念「人を喜ばせること」に向け動き出す。

阿部大輔 社長 あべ・だいすけ／1980年10月6日生まれの42歳。福岡市出身。県立香住丘高校卒。2008年同社に入社。15年6月から専務を務めていた。趣味はキックボクシング、ウェイクボード、ドライブ

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（ふくおか経済EX2023年）