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医薬品と化学品に資源集中し
成長基盤を強化
(写真)2025年4月、有明工業高等専門学校の施設ネーミングライツを取得し、「室町ケミカル物理実験室」が誕生
2026年5月期中間決算で過去最高の売上高を更新。現在、「中期経営計画2028」を推進しており、健康食品事業からの撤退と既存事業の再構築を断行している。医薬品および化学品の両輪に経営資源を集中投下することで、2031年の売上高100億円達成を見据えた持続的な成長基盤の確立を急ぐ。
過去最高売上高を更新
2026年5月期中間期における業績は、売上高36億8,100万円(前年同期比24.2%増)、営業利益3億4,900万円(同126.2%増)と大幅な増収増益を達成。売上高は半期として過去最高を記録した。
セグメント別では、主力の医薬品事業が売上高17億6,600万円を計上。既存商品の需要拡大を背景に、輸入原薬の売上が大幅に伸長した。また、化学品事業は売上高12億5,500万円を計上し、前年同期の営業損失から黒字転換を果たした。半導体市場の活性化や電力業界向け市場への進出が追い風となり、主力製品であるイオン交換樹脂の自社加工品販売が好調に推移。さらにイオン交換樹脂の高付加価値品の伸長により原価率も改善しており、全事業での売上高増が躍進を支えている。
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| (写真)環境水中のPFASの浄化実証試験へ参画 |
独自技術とアライアンスで新市場へ進出
将来に向けた新たな取り組みとしては、長年培った技術力を応用した新市場に挑戦。特に化学品事業では、社会課題となっている有機フッ素化合物(PFAS)除去対策を最優先事項に掲げる。2026年の水質基準規制化を見据え、官民一体のプロジェクトに参画。㈱奥村組が実施主体の実証実験に協力し、自社開発のPFAS除去用イオン交換樹脂や装置の提供、メンテナンスを担う。自治体や産業現場での排出対策ニーズを的確に捉え、一貫したソリューション提供を目指す。
医薬品事業では、化学品事業の技術を融合させた独自技術を導入した。イオン交換樹脂を使用して原薬の精製・塩置換・合成を行うもので、合成釜を使わずに連続して通液して反応液を得られるため、エネルギー効率・コスト面・環境面において大きなメリットが期待できる。すでに原薬製造設備投資を完了し、商業生産前の稼働性能適格性確認(PQ)を終了。青木社長は「独自技術を他の当社製造製品へも応用できるよう取り組み中」と語り、技術活用の範囲を広げていくことに意欲を見せる。
さらに新薬開発サポートも加速。現在、取引先が開発を進める新規の抗血栓薬が臨床治験フェーズ1の段階にあり、同社はその臨床試験に使用するための原薬の本生産を完了した。国内の抗血栓薬を含む抗凝固市場は1,000億円規模とされており、製造受託を通じた市場参入は将来の大きな収益の柱として期待がかかる。
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| (写真)大牟田市新勝立町の室町ケミカル本社 |
2031年に売上高100億円の長期ビジョン
長期ビジョン「VISION 100」を掲げ、2031年5月期に売上高100億円、営業利益率10%以上の達成を目指す中、「中期経営計画2028」では、健康食品事業の撤退により確保した本社工場の跡地や人材を医薬品・化学品事業へ再配置する「事業の再構築」を基本方針に据える。キャッシュアロケーションでは、3年間で約42%にあたる8億700万円を新規開発や成長のための設備投資、人的資本経営への投資に投じる方針だ。
大牟田市から世界へ影響力を持つ企業を目標に、健康と環境をテーマに社会貢献していくことをパーパスに掲げ、既存事業の伸長と新市場・新技術へのチャレンジと実現化で、さらなる成長への歩みを進めている。
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| 青木淳一社長 あおき・じゅんいち/群馬県太田市出身。1965年8月30日生まれの60歳。国立群馬高専工業化学科卒業後、86年4月カネボウ㈱入社、2005年3月日東グラステックス㈱入社、07年4月日東紡績㈱入社、10年7月に室町ケミカル㈱入社後、13年8月に執行役員つくば工場長、14年6月執行役員生産本部長、15年8月に取締役就任、16年8月から常務取締役。19年12月に社長就任 |
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